庄内藩が育んだ食と農 鶴岡市は城下町としての歴史があります。酒井家の庄内入部の歴史は、3代忠勝の代に信州松代(長野県)より出羽国庄内13万8千石の初代藩主として元和8年(1622)に入部されたことから始まります。幕末には17万石の庄内藩となっています。 藩政期には、荘内藩九代目藩主酒井忠徳が藩校「致道館」を創建し、教育に力を入れたことにより向学の気風が培われました。この気風は、学問や芸術、産業活動を活発にし、稲の品種改良など...... 続きを読む
山形日記
身体に大切な野菜の役割とは 何気なくいつも通りの普通の食生活の中にあまり感じることのない野菜の存在。気にしていないけれども、何故かたまに野菜食べてないなあと気付くときがあります。 野菜作りのプロが作った野菜。美味しい野菜には大きな力があることを知りました。野菜には栄養学的な側面ばかりでなく精神的な側面もあります。 例えば、よく噛むことを忘れてきたといわれる私たち人間、実はじっくり噛むことで精神的に落ち着きを取り...... 続きを読む
月山高原にんじんの土作り 生産者は月山高原の赤土粘土の特徴を活かすために、より以上に土壌菌を旺盛にしてキメ細かな果肉をゆっくりじっくり育てる工夫をしています。つまり、化学肥料を出来るだけ抑えた土作りが前提条件になります。 木材のくず、食品廃棄物、おから、デントコーンを植えてすき込む、など出来るだけ炭素率の高い資材を利用します。堆肥発酵促進剤ワーコム、内城菌を使った良質の堆肥はそのためにあると云うわけです。 ワー...... 続きを読む
どう考える硝酸態窒素 日本で生産されている野菜、特に葉菜類の硝酸イオン濃度は 比較的高い傾向にあります 人間にとって硝酸イオンは摂取する必要はなく 野菜中の硝酸イオン濃度を低く抑えることは、より安心であることは間違いないのは確かです。 また、硝酸イオンの野菜中への蓄積は肥料の過剰施用・過剰吸収が原因の一つとも考えられていますので これを低くする努力は施肥量の減少につながり 環境負荷低減にも貢献するものと思われてい...... 続きを読む
土壌微生物の多様性とバランス 大腸に棲む細菌を「腸内細菌」といいます。通常ウイルスなどの異物は免疫システムにより体内から排除されるのですが、免疫寛容という仕組みによって排除されないものがあります。この仕組みによって共存を許された細菌のひとつが、腸内細菌なのです。 お話しを野菜の土作りに戻します。土壌には多種多様な微生物が存在し、その数は1グラムの土壌に約100~1000万にもなるといわれています。 そして、土壌...... 続きを読む
野菜の生産性を高めること 健康な野菜と逆行する問題の一つに野菜を成長させるのに必要な成分である窒素の残留があります。これはお天道様を拠り所に野菜栽培するうえで避けては通れない問題です。真剣に取り組めば取り組むほどに生まれてくる野菜栽培に欠かせない問題。一生懸命美味しい野菜を生産しようとするとき起きる日常的な現実問題といえます。 もう一つ、誤解を恐れず申し上げたいのは、野菜の生産は肥料の三要素を中心に窒素肥料なしでは野菜栽培は...... 続きを読む
さくらんぼの霜害は脅威です ここに数年温暖化による現象として晩霜(おそじも)の被害が多発しています。温暖化は作物の生育を早めます。毎年、開花が早まっていくことで霜害に会いやすい状況があります。山形県の果樹地帯はおいしい果物の条件として内陸盆地の温度格差が大きいというものが長所としてありますが、この反対側が遅霜という直接授粉障害をおこす、こわい自然現象になります。 桜(ソメイヨシノ)の開花は4月下旬頃が主になりますが、さくらんぼの開花は、...... 続きを読む
生石 大松家 板そばの由来 大松家の「家伝の板そば」は先代の出身地に縁の深い温海町関川地区で古来より農家につくり伝えられていた「乱切り手打ち蕎麦」を源流として生まれました。 創業は、百五十年の老舗和菓子屋「本家大松家」の主人でもあった先代の蕎麦好きが昂じて五十年前に鶴岡市水沢に開店。爾来、研鑽を重ね、遂に銀座大松家として東京、銀座に出店するまでに至り、山形の「板そば」を全国に発信する先駆けとなりました。 生石(...... 続きを読む
芋煮会 のどかな秋のお花見のような風情 山形の秋の風物詩といえば間違いなく「芋煮会」です。 今年も9月の「日本一の芋煮会フェスティバル」がお天気に恵まれ3万食の芋煮が完売となったようです。 ひと言でいうと「秋のお花見」といった方がわかりやすいかもしれません。そんなイメージで職場の芋煮会、町内、自治会の芋煮会、プライベートの仲間たちと盛上げる芋煮会などです。シーズンになると頻繁ありますから芋煮疲れの方も多いのではというくらいに、それほど山...... 続きを読む
山形県と秋田県の県境にそびえる名峰「鳥海山(2236m)」は国内でも珍しい小氷河が点在したといわれています。 その鳥海山の万年雪、氷河がゆっくりと溶けて山麓のブナの原生林に浸透し、長い年月をかけて幾重もの天然フィルターを通り山麓に湧き出したのが「鳥海山 氷河水」です。 鳥海山の深い山懐に包まれ自然林の豊かな森の恵みが生んだピュアで豊かな山の恵みといえます。 現在、販売されているミネラルウォーターの多くが湧水や鉱泉水ですが、氷河水は氷河の中で長い時間ろ過されていま...... 続きを読む
山形県の庄内浜は豊富な水産資源に恵まれた豊かな海です。気高い山々から広大な庄内平野、日本海へと至る変化に富んだ地形の中で、海の幸・山の幸に恵まれた豊かな食文化を有し、先人たちの知恵と情熱によって独自の食文化を今に伝えています。 庄内浜らしい水産資源としては、春は雪解けの大河を遡上するサクラマスに始まり、6月には天然岩ガキが全国に先駆けて解禁、生でいただくことができます。夏イカ漁も盛んで、秋からは底引き漁も始まります。 秋の魚種は秋が深まるにつれ...... 続きを読む
オードヴィ庄内 すぐ日本海に 日本海に面して南北に約35キロメートルと、長さ日本一を誇る幅約3㎞の砂丘が続き、日本三大砂丘の一つといわれています。砂丘に生い茂る松原は300年前から防風林とて地元の人たちが弛まなく植林を続け育ててきました。 どこまでも続く日本海を望む砂浜のビーチが美しく続いています。その上に浮かんで見える鳥海山の眺めも見事。南端には「日本の夕陽百選」の一つに数えられる「湯野浜海岸」と、...... 続きを読む
玄米食は続かない 続ける秘訣は玄米がゆ 根気よく続けることが大切という「玄米食」が続かないのはなぜでしょうか。何人かの経験者にお訊ねしてみると「炊飯しづらい!」「6時間から一晩も水に浸すのは大変!」 「圧力鍋は買ったけど毎日は面倒!」「慣れればといわれたけど硬くてパサパサ、ボソボソして」「臭みはあるし味が美味しくない」「30回以上噛んで食べると健康にいいのは解かるんだけど・・・」「何かすっぱいような匂いが気になって」とい...... 続きを読む
玄米食のすすめ 一日一食の玄米食 精米するときになくなってしまう大切なビタミン、ミネラルを豊富に含む玄米は、胚芽や表皮に大切な成分があり、噛めばかむほど味が出ます。繊維質が豊かなので、便通がよくなるなど、体質改善にも役立つと言われています。栄養たっぷりの玄米をもっと気軽にしかも美味しく食べたいものです。 なかなか継続するのが難しいといわれる玄米食をおてがるに、美味しく楽しく続ける方法ははたしてないのでしょうか...... 続きを読む
500円硬貨サイズの大粒サクランボ さくらんぼの生産量が全国一の山形県が新たに開発した世界最大級のさくらんぼ「山形C12号」の名称が、「やまがた紅王」に決まりました。 「山形C12号」は、大きさが直径3センチ前後と500円玉ほどもある世界最大級の品種です。海外では大ぶりなさくらんぼが人気のため、輸出拡大に向けて県が新たに開発しました。 山形県は昨年2018年2月に、サクランボの新品種「山形C12号」...... 続きを読む
芥川賞小説 「月山」 森敦 62歳という高齢で芥川賞を受賞した森敦。彼の作品には、自身の人生がおおいに詰め込まれています。芥川賞受賞作の一文一文から魂を感じとれる作品「月山」は作家森敦の小説で1973年に雑誌「季刊芸術」に掲載。1974年に第70回芥川賞を受賞し、老新人作家のデビューが話題になりました。 [caption id="attachment_16565" align...... 続きを読む
伝統野菜だだちゃ豆をつなぐ生産者 田舎では家号で呼ばれることが多い。鶴岡市のだだちゃ豆を生産する與惣兵衛(よそべい)は江戸時代から続く由緒正しい庄内平野の農家です。 日本有数のお米処、庄内平野。だだちゃ豆の産地で有名な鶴岡市の郊外に白山(しらやま)でも篤農家と呼ばれる真摯な農業生産者も多い歴史のある地域です。 鶴岡市白山に農家の後継ぎとして育った康貴くんですが、周辺の若者と同様に二十歳を過ぎると...... 続きを読む
月山はアスピーテ型の休火山 月山は海抜1,984m、世界でも珍しい半円形のアスピーデ型火山で、頂上の「おむろ」に月山神社があり、【月山神社本宮】に月読命を祀っています。 月山の積雪は日本海からの湿った季節風が次々に雪雲を作りだし特に多く、13m~16mともいわれるほど冬の降雪量は格段に深くなります。したがって西川町志津温泉近くにある月山スキー場は厳冬期は積雪が多過ぎてオープン出来ず、春4月下旬にようや...... 続きを読む
山形県は、米どころの庄内平野や豊かな雪解け水をもたらす万年雪の山々など、酒造りのための自然環境に恵まれたまさに山々の山形県です。 大型の設備を誇るような大規模な酒蔵はないのですが、独特の酒造りを続ける小規模の酒蔵が多くその中には歴史ある酒蔵も多くあります。その酒蔵数はなんと県内に約55カ所の酒蔵があります。 [caption id="attach...... 続きを読む
岩牡蠣のシーズンは6月から8月中旬まで シーズンは6月から8月中旬までの約2カ月間。6月からだんだん大きくなって白い部分のミルクが大きくなるのが7月に入ってから、岩牡蠣独特のダイナミックな美味しさが楽しめます。 かつて夏に生ガキが食べられるのは庄内浜から秋田県までの限られたところだけでした。天然岩牡蠣は夏にいちばん美味しくなる生ガキですから、レアな岩牡蠣ファンは全国から訪れていました。 &nbs...... 続きを読む