月山はアスピーテ型の休火山
月山は海抜1,984m、世界でも珍しい半円形のアスピーデ型火山で、頂上の「おむろ」に月山神社があり、【月山神社本宮】に月読命を祀っています。
月山の積雪は日本海からの湿った季節風が次々に雪雲を作りだし特に多く、13m~16mともいわれるほど冬の降雪量は格段に深くなります。したがって西川町志津温泉近くにある月山スキー場は厳冬期は積雪が多過ぎてオープン出来ず、春4月下旬にようやくオープンし7月までスキーが出きるスキー場として全国のスキーファンには有名なところです。
このように一年を通して豊富な雪が残り、夏スキーが可能なスキースポットとして楽しまれている月山ですが、この山は古くから山岳信仰の聖地として修験の場となっていました。
月山山頂からの眺望はみごと
また月山山頂からの眺めは、庄内平野はもちろん、鳥海山、朝日飯豊連峰、遠く岩木山、八幡平までも望むことができる絶景です。さらには広大な区域が磐梯朝日国立公園の特別区域に指定されており、そこには庄内町の花クロユリや、本州では月山と尾瀬にしか自生していないオゼコウホネなど、希少な高山植物があちこちに咲いています。
かつて松尾芭蕉が月山に登ったときには、「雲の峯いくつ崩れて月の山」という句を詠みました。
月山8合目弥陀ヶ原からの眺めも素晴らしい。羽黒より登山バスで約1時間、海抜1400m附近につらなる湿原が広がります。
この湿原は高冷地の為枯草が腐る事なく、何万年となく積み重なり出来た、泥炭層の湿原で6月~7月頃は、一面のお花畑となり喜ばせてくれます。
尾瀬ヶ原を思わせるような小さな湖沼が散在し、あたかも神々の御田を見るようで心が洗われる心地にしてくれます。また、弥陀ヶ原中央には御田原神社があり神の領域という世界を演出しています。
東北山岳信仰の中心として
ちなみに、山形県庄内地方にひろがる、湯殿山(ゆどのさん)、羽黒山(はぐろさん)と月山(がっさん)の3つの山をあわせて「出羽三山(でわさんざん)」と呼ばれています。
歴史的には約千年前につくられた延喜式神名帳にのる名神大社で古い時代から朝廷を始め庶民の信仰が篤く、山形市には南北朝時代の貞治7年の銘のある月山結集碑があります。
この神社は水を司る農業神として又航海漁労の神として広く衆庶の信仰をあつめています。
そもそも、出羽三山は、祖霊の鎮まる“精霊のお山”、人々の生業を司る「山の神」「田の神」「海の神」の宿る「神々の峰」にして、五穀豊穣、大漁満足、人民息災、万民快楽(けらく)、等々を祈願する聖地であったとされています。
出羽三山 現世 死後 未来を体験
「死者を祀る幽玄たる霊山に参り、現世のありがたみを知る」と語られています。加えて「羽黒派古修験道」の“根本道場”として、「凝死体験(ぎしたけいん)・蘇り(よみがえり)」をはたす山でもあると記されています。
つまり、羽黒山では現世利益を、月山で死後の体験をして、湯殿山で新しい生命(いのち)をいただいて生まれ変わる、という類いまれな「霊山」として栄えてきた神秘のお山として知られています。
出羽三山の信仰世界を語る場合、まず挙げなければならないのは、今日なお「神仏習合」の色彩が色濃く遺されているということです。
古来より出羽三山は、自然崇拝、山岳信仰、など“敬神崇祖”を重視するお山であったが、平安時代初期の「神仏習合」の強い影響を受け、以後、明治初年の「神仏分離」政策の実施の時まで、仏教を中心としたお山の経営がなされてきました。
今日、出羽三山神社は「神道」を以て奉仕しているが、古くからの祭は道教や陰陽道そして密教を中心とする「修験道」を持って奉仕しているといえます。
月山パワースポットとして
ちなみに、山形県庄内地方にひろがる、湯殿山(ゆどのさん)、羽黒山(はぐろさん)、月山(がっさん)の3つの山をあわせて「出羽三山(でわさんざん)」と呼ばれています。
三山の頂上にはそれぞれ神社がお祀りされていますが、中でもひときわパワーが強いのが月山神社だと言われています。
この出羽三山の神社巡りをする方も増えているそうで、それぞれ全て参拝する事により、さらに強力なパワーを授かるとされています。
その参拝にも順番があり①羽黒山の「出羽神社」で現世に気づきを得て、②湯殿山の「湯殿山神社」で未来に不要な物と新たな物をより分け、そして③月山の「月山神社」で過去の不要な物をあの世へ送り、新たなパワーを授かるということです。
月山山頂の月山神社へ行くには
月山山頂1984mに行く方法は3ルートあります。ご紹介していきます。
1、弥陀ヶ原月山8合目レストハウス
鶴岡市のバスターミナルから弥陀ヶ原までバスで「月山8合目 レストハウス」まで行き、そこから片道2時間ほど登山していくコース。8合目の弥陀ヶ原は高山植物や秋の紅葉も見事です。鶴岡からは羽黒山行き。湯殿山行きのバスもあるので便利です。
2、志津温泉、姥沢口
山形県内陸部山形市から「姥沢駐車場」まで電車やバスで行き、そこからはリフトを使う「志津(リフト)口コース」で、リフトを降りて片道3時間ほど登っていくコースのがあります。リフトからの眺めは紅葉の頃、新緑の頃は格別です。10月下旬から4月中旬頃までは雪のため休止します。
3、肘折(ひじおり)口ルート
「肘折ルート」という片道9時間のコース。山深い湯治場として有名な肘折温泉より約4kmにある登山口。山頂までは約16kmの、月山登山道のなかでは最長・最難関ルートとして知られています。こちらは慣れない方にはお薦めできません。
月山の信仰は深く広い
出羽三山とは、山形県(出羽国)にある月山、羽黒山、湯殿山の三つの山の総称です。
月山神社は、天照大神の弟神の月読命(つきよみのみこと)を、出羽神社は出羽国の国魂である伊氏波神(いではのかみ)と稲倉魂命(うかのみたのみこと)の二神を、湯殿山神社は大山祗命(おほやまつみのみこと)、大己貴命(おほなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)の三神を祀っています。
月山と湯殿山は冬季の参拝が不可能であることから、羽黒山頂に三山の神々を合祭しています。また広大な山内には百八末社といわれる社があって、八百万(やおろず)の神々が祀られています。
出羽三山は元来、日本古来の自然崇拝の山岳信仰に、仏教・道教・儒教などが習合に成立した「修験道」のお山でした。それ故、明治維新までは仏教の、真言宗、天台宗など多くの宗派によって奉仕され、鎌倉時代には「八宗兼学の山」とも称されました。
悠久の歴史の中で幾多の変還を重ねながら、多様にして限りなく深い信仰を形成し、「東三十三ヶ国総鎮護」として、人々の広く篤い信仰に支えられて現在に至っています。
出典:出羽三山神社Webサイトほか
▼人参の月山高原から雪の月山 眺望