酒田市黒森地区に280年続く農民芸能「黒森歌舞伎」は雪中芝居
黒森歌舞伎は雪の中、神社で上演される雪中芝居とよばれる地元に愛される農民芸能です。酒田市黒森地区に江戸時代中期から伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」の正月公演が2月15日と17日地区内の黒森日枝神社ではじまりました。
時折雪が舞う中、本狂言で24年ぶりに「源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」が上演され、大勢の観客が芝居を楽しみました。観客も多いのですが、たくさんのアマチュア写真家もそれぞれのアングルに陣取ってシャッター音が聞こえてきます。
常連さんも自分の場所取りと寒さ対策もしかりして、重箱にお料理お酒も持参している人たちもいます。はじまりは12時から同地区の子どもたちによる少年歌舞伎で幕開けし演目は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」から「吉田社頭車引(よしだしゃとうくるまびき)の場」を披露。
主役の一人・松王丸を演じた黒森小6年菅井祐也君(12)は「緊張して練習通りにできないところがあった」と正直に話してくれた。メーンの「源平布引滝」は、源平合戦を背景にしたストーリー。源義朝の弟・義賢の死や木曽義仲の誕生などを描く。
役者が舞台で勇ましく見えを切ったり、刀を持って立ち回りをしたりする場面では訪れた観客が大きな拍手を送っていました。黒森歌舞伎は、地域住民でつくる「妻堂連中(さいどうれんちゅう)」が伝承しています。
役者はこの地区の出身者に限られているのとのことで後継者の問題もあるようですが。正月公演は2月15日と17日に黒森日枝神社演じられ、来月6日には酒田市民会館で酒田公演が行われることになっています。