蜜入りが多いりんごの品種は何ですか?
一般に晩生種と呼ばれる11月ごろから収穫される品種で、皮が赤いりんごは蜜が多いと言われています。
特に「こうとく」という品種は完熟期を適切に待って収穫することが条件ですが、蜜が果肉の大半(多いものだと80%)を占めるほど、たっぷりと蜜を蓄える珍しい品種です。
トロピカルフルーツのような香りと、パイナップルの甘味を彷彿とさせるりんごです。「こうとく」は生産量の少ない希少品種です。
一般的には蜜が入りやすいリンゴの代表は「ふじ」です。 特に無袋栽培したサンふじは日本のリンゴでも代表的と言っていいほど好まれる品種ですが、完熟期まで収穫を待って、冷え込みが厳しい12月まで樹上熟成したものは「こうとく」程ではありませんが蜜入りしやすくなります。
一般に晩生種のリンゴの収穫時期は晩秋で気温が低下します。 そのため、りんごの呼吸が低下、葉で作られたソルビトールが果実に送られて蜜が形成されやすい条件が揃います。
希少品種の「こうとく」は東光という品種の自然交雑から青森県で生まれた品種です。1個の大きさは小玉で150~180g位が平均的サイズです。ホントに小玉で着色の悪いりんごです。果実の形は円形で果皮は黄緑地に淡褐紅色の縞が明瞭に入り完熟に近づくにつれ特有の光沢が出てきます。艶々したりんごに見えます。
「こうとく」は驚きの蜜が入る美味しいりんごでありながら驚くほど小玉のリンゴで、品質にもばらつきがあったため市場から敬遠され、数年前には栽培者がほとんどいなくなってしまい消滅寸前にまでなっていました。
近年になり蜜入りに注目されその栽培技術が生産現場から開発されたことで、産直市場などから人気が出始め静かなブームになりました。高徳(こうとく)は1985年に品種登録されたリンゴです。最近こうとくは注目されるようになった比較的新しい品種ですが、新品種ではありません。
▼蜜入りリンゴ「こうとく」とは
▼驚きの蜜入りリンゴこうとく動画
山形のリンゴの美味しさはシャキシャキしたシャリ感のある歯触りと濃厚な食味が特徴です。
山形は寒暖の差が激しい盆地特有の気候で、りんご本来の美味しさが生じる完熟期と収穫期が見事に合致する、日本有数のリンゴの産地。サンふじの系統の極ふじ(きわめふじ)は特に食味が良く肉質は緻密で硬く、果汁が多くジューシー。特に蜜入が安定して食味が良いと生産者の中でも評価が高いのです。
また、「こうとく」の人気の秘密は、なんといっても果肉の大半を占めるアメ色 の蜜入り。栽培の難しさもあって山形県でも生産量が少ないため、大変希少なりんごとなっています。近年、生産に力を入れている蜜りんご「こうとく」は認知度も少しずつ広がって香りが高い蜜りんごとして評価が高くなっています。