りんごの蜜って何ですか?
▼蜜ができる仕組み
1. 通常、ソルビトールは果実内で果糖やショ糖などの糖に変換されます。
2. りんごが完熟すると、ソルビトールの糖分への変換が止まり、残ったソルビトールが細胞に蓄積します。
3. このソルビトールが水分を引き寄せ、黄色く透き通った「蜜」として見えるようになります。
▼蜜入りりんごの特徴
蜜の存在は、りんごが十分に完熟していることを示す指標となります。 蜜入りりんごは一般的に甘くて美味しいと感じられますが、これは蜜自体が甘いわけではありません。
蜜が入っているということは、りんごがすでに十分な糖分を守っていることを意味します。
▼注意点として
蜜入りしたりんごは完熟しているため長期保存には向かず、新鮮なうちに早めに食べることをお勧めします。
りんごの蜜は収穫後1〜2ヶ月で、保存の条件にもよりますが、いずれは果肉に吸収され無くなることになります。 また、蜜が多いりんごは保存性が低く、変色しやすい傾向がありますからお早めに召し上がってください。
「ふじ」や「北斗」などは蜜が入りやすい品種ですが、「王林」や「ジョナゴールド」などは完熟でも蜜が入りにくい品種です。
このように、りんごの蜜は完熟の証であり、おいしさの指標の一つとなっていますが、品種や保存状態によって異なる特性を持っています。
▼蜜入りこうとく
蜜入りリンゴ特集「こうとく」と「サンふじ」
山形のリンゴの美味しさはシャキシャキしたシャリ感のある歯触りと濃厚な食味が特徴です。
山形は寒暖の差が激しい盆地特有の気候で、りんご本来の美味しさが生じる完熟期と収穫期が見事に合致する、日本有数のリンゴの産地。サンふじの系統の極ふじ(きわめふじ)は特に食味が良く肉質は緻密で硬く、果汁が多くジューシー。特に蜜入が安定して食味が良いと生産者の中でも評価が高いのです。
また、「こうとく」の人気の秘密は、なんといっても果肉の大半を占めるアメ色 の蜜入り。栽培の難しさもあって山形県でも生産量が少ないため、大変希少なりんごとなっています。近年、生産に力を入れている蜜りんご「こうとく」は認知度も少しずつ広がって香りが高い蜜りんごとして評価が高くなっています。