◆◆ ばっちゃん物語 第6話◆◆
■雪に埋もれる冬の一日、しもやけ痒い
この地域の真冬はいったん吹雪くと1週間以上もつづくこともあります。
吹雪の間は、大人たちは出かけることもひかえ納屋での仕事に切り替えます。
小学生は吹雪がひどい時も学校に通いました。高学年の子供を先頭に風除けにして吹雪に埋まった
田んぼ道を一列に並んで一人ひとりの間隔をつめて40分かけてすすみます。
吹雪で視界が無くなるので、まるで軍隊の隊列のように、最上級のでも体の大きい男の子が
新雪をかき分けながら、雪に埋もれた川に落ちるようなことが無いようにと
先導して守ってくれるのです。
あまりにひどい吹雪の日は、危険がともなうことになるので
大人たちが吹きだまりのできる集落の入口、出口の要所を雪かきしてくれるのでした。
それは毎年吹雪のときにできる吹き山(吹雪で出来る大きな吹きだまり)の場所が
知られているからで、朝早くから難所といわれる要所、要所を手分けして
学校に行く時間まで除雪してくれます。
吹雪の間は、同じように帰り道も隊列を作って帰るのです。
低学年の子供ほど一人で帰るのは危険がともないます。
そして雪だるまのようになって家に帰るのでした。
帰るとすぐに、わら靴と、もんぺなどの着物を脱いで囲炉裏に干して、自分もあったまる。。。
寒さでかじかんでしまった全身がしだいに体があったまってくると感覚が取り戻されてきて
ひどくなった手足のしもやけが、途端に、かゆくなってくるのです。
カサカサになってしまった赤いほっぺたの女の子はがまん強い子でした。
ながい長い、暗い吹雪の冬が、大寒をまたいで立春まで続くことになるのです。
(続く・・・)