さくらんぼ 魅力を知ってほしい
一言でいうとサクランボは足の早い日持ちの悪いくだもの。私たちは生産に関わる者として、サクランボの特性と正しい扱い方をよく知っていただきたい。多くの皆様に山形特産のサクランボを美味しく召し上がっていただきたいものと考えています。1人でも多くの皆さんにサクランボの魅力をお伝えできればと思うのです。
そこで サクランボ特有の性質からみた取扱い方とは、サクランボの生産現場からみた取扱い方とは、サクランボの発送方法からみた取り扱い方 サクランボの受取から召し上がりまでの扱い方、までの各段階ごとの取扱い方を順を追ってお伝えしていきます。
サクランボの特性と扱い方
サクランボはデリケートなくだものです。 「ピカピカに輝く甘く美味しい旬の味覚」として多くの人たちが賞賛してくれます。しかし、そのイメージとは正反対に、さくらんぼはデリケートで日持ちが悪い劣化しやすい果物なのです。
温度変化と湿度変化(乾燥と結露)に弱いので、保存する場合は細かな注意が必要。また、さくらんぼは基本的に3日以上の保存は問題があると思って取り扱った方がいいでしょう。
特に、最高のサクランボ、完熟のサクランボをお届けしたいと思えば思うほどサクランボ特有のデリケートさがかえって仇になる場合もあります。特に最近は、生産地でギリギリまで完熟にして収穫し、お送りする佐藤錦が主流になっていますから完熟さくらんぼほど、取り扱い方はデリケートで難しくなってきているようです。
お取り寄せは慎重な取扱いが
お取り寄せサクランボには最新の注意が必要です。取り扱いが難しいことはサクランボのお取り寄せの場合、傷みのクレームとして現れます。クレームが多いこともサクランボの取扱いが難しいといわれる所以となのです。
もちろん、サクランボの美味しさを追求するあまり時折、完熟過ぎるものが出来てしまうとか価格が高いことからくる期待感も大きいことからくる落差がそうさせるのかもしれません。原因としていちばん多いのが、完熟から過熟となる品質によりクレームになる場合、またクール便使用による事故も少なくないことも事実として存在しています。
湿度と温度変化を出さない
保存する場合は、プラスチックの容器から出して、乾燥させないよう新聞紙、クッキングペーパーなどに包み、常温便で届いた場合は冷暗所、クール便の場合はすぐ冷蔵庫に入れ保存します。温度変化を出さないようにするためです。そして出来るだけ早めに食べましょう。
お店で購入した場合も出来るだけ冷暗所を利用し温度変化をつくらないようにします。サクランボは結露と乾燥に弱いので、どうしても2‐3日保存したい場合は結露しないようにプラスチックのパックから出して乾燥しないよう新聞紙などの吸湿性のある資材で包むなどして直接冷気を当てないで冷蔵保存するのが基本です。
当日に食べるのであれば出来るだけ冷蔵庫は使わないで冷房の効いた涼しい部屋に置いて下さい。暗所に置いたからと言って、あまり長期保存しないで下さい。あくまでも美味しく食べるための保存です。
▼さくらんぼの水洗いの方法から
サクランボは早めに食べきる
購入して、すぐに食べたい時は、冷水にさっと通して冷やすとおいしく食べられます。水洗いして20-30分冷蔵庫で冷やして食べるのも美味しく食べるコツです。サクランボは収穫した時から、どんどん鮮度が落ちていきます。新鮮なうちに食べるのが何より美味しくいただく方法です。
冷蔵庫に入れて保存するのは実は、美味しさを失う原因です。サクランボは夏くだもののため桃と同様に冷蔵庫に長く入れておくと甘さ、美味しさが損なわれます。ですから基本の保存方法は冷暗所、風の通る涼しい所が理想です。
出来るだけ早く食べていただくことが基本です。少しの間保存したい場合は、新聞紙などに包んで出来るだけ涼しいところにおいておきます。保存期間は長くて2日位と思ってください。通販でサクランボを買った場合でも、常温便で届いた場合は、冷暗所に、クール便で届いた場合は結露させないようにすぐに冷蔵庫の野菜室に入れて下さい。
サクランボ生産現場の扱い方
サクランボの鮮度を保つため産地では早朝に収穫して、朝採れサクランボで発送します。サクランボはトマトなどのように収穫してから追熟して色着きが良くなる事や美味しくなる事はありません。サクランボの樹にストレスを与えないようにして早朝の収穫をしているのっです。
収穫した時がいちばん美味しい瞬間で、そこを頂点としてすこしずつ鮮度とともに食味も下がっていく果物です。この点が他のくだものとは大きく違う特徴です。ですから、朝採りしたサクランボを出来だけ早くお客さんにお届して、出来るだけ早く食べていただくことが理にかなったことになります。
また、さくらんぼは、収穫前の樹上にあっても温度変化に弱く、収穫する時の気温によっても日持ちが変化します。特に雨除けハウスになると高い所は空気が動かず高温が留まりますから、かなりの高温になってしまいます。
ですから産地での収穫作業は気温が高くなる前の早朝5時から始まり、遅くとも午前10時までで一日の収穫は終了しています。そして朝採れサクランボを待っている人たちにその日のうちに発送します。
▼山形さくらんぼの雨除けハウスの設置率の推移
早朝収穫したサクランボの鮮度
さくらんぼは、早朝5時から遅くとも10時頃までで、収穫作業は終了します。そして朝採れサクランボを待っている人たちにその日のうちに発送します。さくらんぼは気温が高いときに収穫するとさくらんぼの樹にストレスも多くかかり鮮度に影響しサクランボの日持ちが悪くなるからです。そしてその樹に残したサクランボの実にも影響して残ったサクランボも日持ちが悪くなってしまうのです。
さくらんぼ狩りの場合はほとんど、観光、行楽ですからお昼前後のご利用になりますから収穫したサクランボはそれなりに日持ちが短いものとしてご理解して下さい。
もちろん当日、翌日くらいは大丈夫と思いますが・・・。「さくらんぼ狩り」などで気温が高いときに収穫したサクランボ場合は、日持ちがしないので、出来るだけ当日中に、すぐに食べきるようにしましょう。
サクランボ食べるまでの扱い方
常温便は常温で保存、クール便で届いたらすぐ冷蔵庫に入れて下さい。お店で買ってきたり、ギフトでいただいたサクランボが常温便で届いた場合、少しの間保存したい場合は、新聞紙などに包んで出来るだけ涼しいところにおいておきます。
出来るだけ長く保存したいときは冷蔵庫の野菜室に、出来れば新聞紙に包み入れて下さい。保存期間は長くて2日位と思ってください。通販でサクランボを買った場合でも、常温便で届いた場合は、冷暗所に、クール便で届いた場合は結露させないようにすぐに冷蔵庫の野菜室に入れて下さい。
特に「サクランボは温度変化に弱い」ことです。クール便で届いたサクランボを玄関に、またはマンションの管理人の部屋に2時間ぐらい放置されたら痛みやすくなるのは当然です。
温度変化で湿気を集めて結露してしまうと一気に変色などの傷みが生じる事になります。常温便で届いたものは、室温でも構いませんが、クール便で届いたサクランボはすぐに冷蔵庫に入れて下さい。
上手に扱うと30日の保存も
毎年、私たちは品質向上のためサクランボの鮮度保持について試験的に行いますが、温度と湿度を調節できる冷蔵庫に入れて日保ち試験をすると、温度と湿度の変化出さない条件下では1週間から1ヶ月までサクランボは保存が出来ます。しかし冷蔵庫の扉の開閉や冷蔵庫からのサクランボの出し入れで保存性は顕著に下がります。
温度変化を出さなければ、食味も痛み方も採れたてとは違いますが問題なく美味しく食べる事が出来ます。「温度と湿度を低くして変化を出さない」ことを維持できると格段に日保ちは長くなります。品種による保存性の違いもあり、佐藤錦より紅秀峰、紅てまりは保存性が高い傾向にあります。
しかし、お客様に届くまでには色々な行程があり、環境の変化の連続ですから各行程がすべて管理できているとは言えないのが事実です。これによって、もちろん少しずつ鮮度は下がっていく事には変わりはありません。運送しているときの揺れや、クール便の冷やし過ぎも実はサクランボには大きなストレスになっています。
▼さくらんぼ 佐藤錦の収穫の様子から
さくらんぼ上手な扱い方 まとめ
サクランボは温度変化、湿度変化を出さないように気を付けて取り扱いして下さい。温度変化で湿気を集めて結露してしまうと一気に変色などの傷みが生じる事になります。
さくらんぼはデリケートで日持ちが悪く、劣化しやすい果物なのです。温度変化と湿度変化(乾燥と結露)に弱いので、保存する場合は細かな注意が必要。また、さくらんぼは基本的に3日以上の保存には問題があると思って取り扱った方がいいでしょう。
さくらんぼはくだものの中でも一番デリケートで扱い方が難しいフルーツと考えられます。特に最近は、生産地でギリギリまで完熟にして収穫し、お送りする佐藤錦が主流になっていますからますます取り扱い方は難しくなってきているようです。
産地の生産現場でさくらんぼは、早い人は3時頃、早朝5時から遅くとも10時頃までで、収穫作業は終了します。そして朝採れサクランボを待っている人たちにその日のうちに発送します。ここまでが産地で最高の鮮度を守るための最大限の努力をしています。
常温便で届いたものは、室温でも構いませんが出来るだけ涼しい所に保管してください。クール便で届いたサクランボはすぐに冷蔵庫に入れて下さい。
▼参考資料