アスパラガスと庄内平野の水
庄内砂丘は長さ35km、面積約55km2を誇り、長さ日本一の砂丘として知られています。面積は、日本第二の面積を誇り、鳥取砂丘、吹上浜砂丘とともに日本三大砂丘の一つとされています。この砂地の砂丘は地下水が豊富で灌漑水に恵まれ砂丘メロン、砂丘大根などが生産されています。
この砂丘を農地に変えるには江戸時代から長年の植林がなされ、砂防事業が続けられてきました。ようやく昭和になって豊富な作物が収穫されるようなった歴史があります。アスパラガスの栽培は近年になってからで、肥料持ちが悪い砂の土壌には大量の堆肥などの有機質を投入することで高品質のアスパラガスが生産され産地が形成されています。
日本海の風が創り出した庄内砂丘は先人が苦労に苦労を重ね黒松を江戸時代から植林して数百年。今では、地下水の豊かな水捌けのいい豊かなオアシスの畑に変わりました。この庄内砂丘の夏は昼は足が火傷するほどの高温に。夜は海からの風が砂丘を急激に冷やします。この砂丘の生み出す昼夜の温度格差は作物に濃厚な食味をもたらします。
アスパラガスと冷涼な気候と土
アスパラガスが一般の食卓に上るようになったのは昭和40年代以降のことです。癖のない独特の食感やうま味を持ち、調理のしやすいことも手伝って人気の野菜になりました。
冷涼な気候、肥沃な土壌が栽培の適地とされることから、北海道がいち早く産地を形成しました。山形県では酒田市、鶴岡市の庄内砂丘の特産品として、最上町では米に替わる作物として、平成16年から町をあげて取り組み、急速に産地形成を遂げています。
全国生産でも急激に生産量が伸びており全国8位のアスパラガス産地となって上位5位内をうかがおうとしている。山形県最上町での栽培は、徹底した土づくりからスタート。地元畜産農家の良質な完熟堆肥を投入して深く掘り起こし、大地を健康で活力あるものに改良。土づくりによってできたフワフワこのほ場に種から育てた苗を定植しています。
アスパラガスは毎年収穫
アスパラガスは初夏になると、地下茎から分岐して伸びる芽が、そこここにムクムクッとたけのこのように顔を出します。これが25~30cmに伸びたら収穫の時期になります。
5月から9月までの「長期どり(夏秋どり)」で、宿根性のアスパラガスは10年ほどは毎年収穫できるという特徴があります。また、山形県宮城県と隣接する最上町は日本海と太平洋に注ぎ分ける分水嶺もあり、良質な水にも恵まれて育つ最上町のアスパラガス。生産者の手ごたえは大きく、取り組みから数年で栽培面積も生産量も何倍にも伸びています。
一方や庄内砂丘のアスパラガスも砂丘地独特の温度格差がうみだす気候と酒蔵の仕込み水とも水源を同じくする地下水によって砂丘地の甘く柔らかくアスパラガスとして特産野菜としての評価が高まっています。
山形アスパラガス全国8位に
アスパラガスは地中海東部が原産とされるユリ科の植物で、地上に伸びてくる新芽の茎を食用とします。種を植えてから2年から3年たたないと収穫できるまでにならないのですが、その後10年間くらいは同じ株で次々と芽が出てくるそうです。
日本名は「オランダキジカクシ」という驚きの名称が着いています。その名の由来は、成長して葉が茂ると雉(きじ)が隠れるほどになるという事からだそうですが、実に不思議な日本名ですね。
アスパラガスと庄内砂丘 まとめ
砂丘育ちのアスパラガスは特産品として朝取りして翌日には食卓へ届きます。北海道産がはじまる7月まで山形産のアスパラガスに人気が集まります。砂丘アスパラガスは5月になると出荷がはじまります。
全国生産でも急激に生産量が伸びており全国8位のアスパラガス産地に。この庄内砂丘を砂の害から守り農地に変えるには江戸時代から長年の植林がなされ、砂防事業続けられてきました。ようやく昭和になってメロンをはじめとする豊富種類のな作物が収穫されるようなった歴史があります。
ところで、アスパラガスは疲労回復や滋養強壮効果のあるアスパラギン酸を含み、老化予防や利尿効果があるルチン、カロチン、ビタミンC・Eなども豊富な野菜です。機能性食品としての研究もはじまり 最上町では、アイスクリームやシャンプーなど、特産のアスパラガスを使った加工品づくりもはじまりました。
▼アスパラガスの簡単美味しいレンジレシピ