佐藤錦も初めサクランボの缶詰
明治維新に日本に「さくらんぼ」の苗木がヨーロッパとアメリカ合衆国から輸入されてから150年以上経過しています。完熟したサクランボの生食用が一般化したのは昭和50年代になってからで、それまでは缶詰加工したものが主流の食べ方だったようです。
古い話になりますが、昭和中期に「黄色いさくらんぼ」という歌が流行しました。中には懐かしいと思われる方もいらっしゃるかと思います。その頃のさくらんぼは黄色くて酸っぱいのが当たり前。それはサクランボの需要の大半がまだ缶詰用、加工用の時代です。完熟する前の色の薄い状態で収穫していました。生食用の「佐藤錦」はまださほど普及していない頃でした。
缶詰用の加工用サクランボはまさに「黄色いさくらんぼ」はすっぱいナポレオンなどの品種、加工して味付け、着色して缶詰にするので、それで良かった時代です。生食用もあったことはありましたが、宅配便がなかった時代は完熟まで待つと実に傷が着きやすくなるなど劣化がが早いサクランボは生食では商品化できないでいました。唯一、産地の地元山形で出回る程度でした。
▼佐藤錦収穫直前の様子をご覧ください
▼佐藤錦の作付け年次動向
佐藤錦が市場に革命をおこす
その頃は、生食用の佐藤錦だとしても、物流がまだ整っていなかった時の事。佐藤錦であっても完熟前に収穫された食べるとすっぱい缶詰用の「黄色いさくらんぼ」だったことも考えられます。
生食用に甘い、果汁たっぷりのサクランボが主流になっていく過程には宅配便のはたらきが大きくかかわっています。1976年にヤマト運輸の宅急便が出来たことで生食用の「佐藤錦」の良さが生かされ完熟の「佐藤錦」が翌日か翌々日には個人のお宅に届くようになりました。それまでは、特定の個人宛てに翌日に小包が届くシステムはありませんでした。
ところが現代のさくらんぼ「佐藤錦」は、今日送ったものが新鮮な状態で明日届く訳です。鮮やかなルビー色に輝き、口に入れると甘い果汁がほとばしる「佐藤錦」は宅急便の助けを借りて価値を高めることになったといえます。季節が限られ、愛くるしいカタチも手伝ってか、初夏のフルーツでは一番人気になっています。
美味しい佐藤錦の選び方
▼美味しいさくらんぼの4つの見分け方
1、実の粒が大きいこと。他に比較して実に張りがあり大きいほど旨い。
2、実の色、ツヤがあり着色が濃い色のほうが旨い。濃すぎると熟れ過ぎの場合がある。
3、色の濃いわりに実が硬い。鮮度がいいことと、背中は赤いがお腹の白っぽいところが透明になっていない。熟れ過ぎていないことの現われです。
4、枝(軸)が太く枯れていなくて緑色のものは鮮度がいい証し
▼美味しい佐藤錦の選び方
色: 鮮やかで褐色に変化していないもの。
皮: 弾力が感じられ光沢があり傷がないもの。
軸: 緑色で太めで、しおれていないもの。
実: 大きくてツヤがあり固くしまっているもの。
▼美味しい佐藤錦の選び方イメージ
サクランボは美味しい状態に熟しているかをまず色でみます。しっかりと紅く色付き、鮮やかでつやがあるものを選びます。サクランボは追熟しないので、白、黄色みが残っている物が多い物はやめた方が良いです。
また、部分的に茶色っぽく変色したり傷が付いているものも避けましょう。
次に鮮度ですが、軸(枝)が緑の鮮やかなものを選びます。鮮度が落ちてくるとこの枝が茶色くなってきます。
粒が大きいほど値段が高くなる傾向にあります。同じ値段なら大粒を選びましょう。
総合的に、「粒が大きく、色が赤くて艶、張りがあり軸が太くて緑色で新鮮」理想イメージではありますが、これに近いものを選びましょう。
▼山形さくらんぼの品種構成
美味しい佐藤錦の選び方 まとめ
総合的に、さくらんぼは「粒が大きく、色が赤くて艶、張りがあり軸は太くて緑色で新鮮さを感じるもの」理想イメージです。完璧なサクランボを探すには、時間と労力がかかりますから上記の選び方の要点をふまえて選ぶといいでしょう。
ひと言でいうとすれば、この実についた軸(枝)の部分(ステム)が緑色で新鮮で出来るだけ太いものを選ぶのは、時期、品種、栽培方法を問わず共通して「美味しいさくらんぼを選ぶコツ」です。
劣化しやすいさくらんぼで特に大事なのは新鮮さが何より大切です。粒が大きくて果皮に張りとツヤがあり、色が鮮やかなものを選びましょう。皮が黒っぽくなっていたり褐色の斑点があるものは避けてください。また軸が茶色ではなく青々としているものが新鮮です。
サクランボがおいしく食べられるのは収穫してから2~3日。購入後は冷蔵庫(野菜室)に入れて、なるべくその日のうちに食べましょう。ただし、長時間冷蔵庫に入れておくと甘味が薄れてしまうので新聞紙に包んで保存します。買ってからすぐに食べたいときは、冷水にさっと通して冷やすとおいしく食べられます。
▼佐藤錦の洗い方は簡単に