山形県は日本有数のフルーツ王国として知られています。恵まれた地形、気候などの環境が多様な果物の生産を支え生産者の技術の研鑽も相まって、フルーツ生産150年の旺盛な生産力を生み出してきました。特にさくらんぼと洋なしラ・フランスは全国シェアの大半を占めています。
内陸型の温度格差が美味しさを生む
山形県が「フルーツ王国」として知られるようになった要因は、恵まれた自然環境と長年の人々の努力が融合した結果です。まず、山形県の地理的特性が果物栽培には適しています。
高い山々に囲まれた盆地型の地形は梅雨期も雨量が比較的少なく果物栽培には適します。内陸型の地形が生み出す昼夜の大きな気温差は、果物の糖度を高め、濃厚な味を生み風味を豊かにします。また、水はけの良い扇状地型の地形や土壌は高い山々からもたらされる地下水など高品質な果物の生産を支えています。
歴史的には、江戸時代や明治時代から果樹栽培が行われてきました。特に、さくらんぼの「佐藤錦」は、佐藤栄助翁が15年の歳月をかけて品種改良したことで有名です。また、ラ・フランスも明治時代に導入され、その独特の熟成特性により人気を博しました。
雪国山形県だから果樹の環境が整う
広葉植物の果樹は冬には雪を布団に就眠します。積雪の多さも美味しいフルーツの生産には不可欠のものです。積雪のある冬の休眠は広葉果樹が冬を生き抜き、次の生育期に向けて準備するための重要な生理的プロセスです。この期間中、果樹は外見上、静止しているように見えますが、内部では春の成長に向けて重要な変化が進んでいます。
山形県は、さくらんぼやラ・フランスだけでなく、ぶどう、すいか、柿、メロン、梨など、多様な果物の生産で国内トップクラスの地位を占めています。これらの果物の栽培技術は、長年の経験と努力により磨き上げられてきました。
このように、恵まれた自然環境を最大限に活かし、先人たちの情熱と技術革新が結実した結果、山形県は「フルーツ王国」としての評価を確立したのです。現在も、この伝統と技術は次世代に受け継がれ、さらなる発展を遂げています。
さくらんぼ ラフランス ぶどう 桃など
さくらんぼは山形県を代表する超有名な果物で、佐藤錦」が特に知名度が高い品種。さくらんぼの全国シェアは75%ほどあります。また、ラ・フランスは西洋なしの一種で、山形県の生産量は全国1位、全国シェアの約65%を占めています。
ぶどう栽培の歴史も古く、夏のブドウのデラウエアや甲州ぶどうをはじめ、ピオーネ、安芸クイーン、シャインマスカットなど多様な品種が栽培されています。全国シェアは4位です。
尾花沢すいかに代表される夏スイカは全国3位のスイカの名産地です。そのほか、サンふじに代表されるリンゴと桃の生産量は全国4位となっています。そして、庄内砂丘をはじめとする産地があり、メロンの生産では5位、庄内柿に代表される柿が10位と盛んに生産されています。
意外なフルーツもシェア上位に
アケビ:生産量全国1位で、94.7%の全国シェアを占めています。
カリン:生産量全国3位で、25.1%の全国シェアを占めています。
ラズベリー:生産量全国3位で、29.8%の全国シェアを占めています。
ヤマブドウ:生産量全国2位で、17.3%の全国シェアを占めています。
山形県の果物生産の成功は、昼夜の寒暖差が大きい自然環境と、生産者たちの長年の努力によるものです。特に東根、天童、寒河江地域は果樹園が密集し、多様なフルーツ狩りを楽しむことができます。
見どころは収穫期ばかりではありません。春の果樹園の開花時期になるとサクランボ、桃、洋なし、ラフランス、りんごなどの花が一斉に咲き始めます。いろんな種類の果樹の花々が入れ替わり満開をむかえる姿は、山形ならではの美しさといえます。
何故 フルーツ生産王国になったか
山形県がフルーツ生産で全国トップになる理由は、主に以下の要因となります。
1,独特の自然環境:山形県は高い山々に囲まれた地形を持ち、夏と冬、昼と夜の気温差が大きいという特徴があります。この寒暖差が果物の甘みと香りを強くする要因となっています。特にさくらんぼの収穫期は雨を嫌いますが、梅雨期の収穫期の雨が極端に少ないというアドバンテージも見逃せません。
2,気候の恩恵:高い山々に囲まれ台風被害が少ないことや盆地気候により梅雨期は雨が少ないなどの特徴が気象被害から果樹園が守られています。これにより、安定した持続的な果実の生産が可能となっています。
3,歴史的な取り組み:山形県では江戸時代や明治時代から果物栽培が行われており、長年にわたる生産者たちの努力と経験の蓄積があります。また、大正から昭和にかけて缶詰用のフルーツとして、一時は軍需産業としての缶詰加工が盛んに行われ、原料となる西洋なし、桃、さくらんぼの栽培が盛んになり、栽培技術も高まってきました。
4,品種改良の成功:例えば、さくらんぼの「佐藤錦」は大正から昭和にわたり15年の歳月をかけて品種改良されました。20世紀最高の品種といわれ、県内でも佐藤錦はシェア70%を超えています。このような地道な努力が高品質なフルーツの生産につながっています。また、新品種「やまがた紅王」という超大粒品種も最近デビューしています。
5,多様な果フルーツの栽培:さくらんぼやラ・フランスだけでなく、ぶどう、すいか、柿、メロンなど多様な果物を栽培しています。これにより、年間を通じて多様なフルーツの生産体系が可能となっています。
これらの要因が相まって、山形県は「フルーツ王国」と呼ばれるほどの生産量と品質を誇るフルーツの産地となっています。
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