次世代サクランボ やまがた紅王
全国のさくらんぼの7割以上を生産する山形県が満を持して開発したのが次世代さくらんぼといわれる超大玉のサクランボ「やまがた紅王」です。さくらんぼ王国山形生まれ「佐藤錦」、「紅秀峰」に次ぐ第3のさくらんぼ品種である「やまがた紅王」です。これまでのさくらんぼと違う最大の特長は果実の大きさです。
やまがた紅王の魅力
- 収穫期は6月下旬から7月上旬で「佐藤錦」と「紅秀峰」の間に収穫期が
- 3L〜4L中心の大玉生産が可能で「紅秀峰」よりもひとまわり大きい
- 糖度は20度程度で「佐藤錦」並みで、酸味が少なく食味良好と評価が
- 着色良好でツヤがあり外観品質が優れる
- 果肉が硬く、日持ち性が優れる
国内最大級のさくらんぼ
「やまがた紅王」は、実の大きさが直径3センチ前後と国内最大級で、糖度が20度以上と甘くて酸味が少ないのが特徴です。 2023年予定している本格的な販売を前に、主に県内や首都圏向けの先行販売が2022年6月から始まりました
山形県関係者のお話しでは、果実の大きさは3L(横幅二八㎜以上)~4L(同31㎜以上)中心の大玉サイズで、500円玉サイズより大きくなります。また、「佐藤錦」並みの糖度で酸味が少なく、食味良好で、果肉が硬いため日持ち性に優れます。
次世代のサクランボの姿が
系統 :交 配 年 平成 9 年(1997年)
交配親 「紅秀峰」〔種子親〕×C-47-70(「レーニア」×「紅さやか」)〔花粉親〕
現地適応性の検討 平成 23 年~29 年 ・果実品質が良好で普及性が高いと見込まれたことから、平 成29年9月に品種登録出願し、令和2年3月に品種登録。
品種特性 :(1)開花期と結実性 ・開花期(満開期)は、4月下旬で、「紅秀峰」とほぼ同時 期で、「佐藤錦」と比較して4日程度早い。 ・「佐藤錦」、「紅秀峰」と交配和合性がある。 ・結実性は、「紅秀峰」より少なく、「佐藤錦」よりやや良好である。
収穫時期は佐藤錦と紅秀峰の間で、6月下旬事の見込みです。
参照:山形県の発表から
やまがた紅王の特徴とは
見た目、大きさ
・果実は、3L~4L 中心の大玉で、「紅秀峰」より大きい。
・果皮にツヤがあり、着色良好で、外観に優れる。
食味、品質、保存性
・糖度は20度以上と「佐藤錦」並みで、酸味がやや少なく、上品な甘さで、食味良好である。
・果肉が硬く、日持ち性に優れる。 ・収穫期後半に、果実表面にくぼみが発生する場合がある。
やまがた紅王 導入状況
「やまがた紅王」については、「佐藤錦」、「紅秀峰」に続く、3本目の柱となるよう、 現時点で3番目に多い「紅さやか」の約2倍の導入を目指していく(栽培面積:250ha、 苗木導入本数:50,000 本〔R15〕)。
「やまがた紅王」の苗木は、平成 30 年からの2年間で、合計 20,450 本が導入されており、 合計の植栽面積は、約 102ha 程度と推計される(10a 当たり 20 本植えで試算)。
やまがた紅王ルール明確化
やまがた紅王の生産は県内の果樹で初めて登録制とし、実の大きさなどの規格を定めた。まず、やまがた紅王の苗木の普及状況ですが、昨年度までの4年間で、2,386の生産者に計2万6181本の供給を終了しました。
紅秀峰は2万本を超えるまでに5年かかっており、県園芸大国推進課は「新品種に対する期待の表れではないか」とみています。
やまがた紅王の収穫期は6月下旬~7月上旬ごろ。導入には、6月中旬から下旬が収穫期の佐藤錦の一部を転換する狙いがあります。
佐藤錦の栽培面積の課題
県内のサクランボの栽培面積は佐藤錦が7割を占め、人手不足が表面化している現状があります。果肉が柔らかい上、現場では佐藤錦の生産量が影響して高温と園地の労働力不足もあります。
収穫期後半は、天候により果実の傷みや熟し過ぎが相次いで発生していることが課題となっています。この佐藤錦の過剰作付け問題をやまがた紅王を導入することでバランスの良い品種構成に切り替えていくことも大きな課題解決と捉えています。
山形さくらんぼ全体を好循環に
さくらんぼ生産者は日持ちが十分ではない佐藤錦を紅王がカバーし(7月上旬の)紅秀峰につなげたいと期待を寄せています。試食した多くの人たちから伺うと、感想を爽やかな味のサクランボとの感想が多く聞かれた。
県の調べによると、県内の関心は高く山形市内の価格は100グラム入りのパックで2000~5000円と高価なものとなっている。
また今までの政策の失敗から無断栽培を防ぐために、中国、韓国、オーストラリアなど7カ国で品種登録の手続きを進め、山形県では輸出も視野に入れて生産を拡大する方針を示しています。
▼やまがた紅王デビュ―山形放送の報道―2022年6月26日
https://youtu.be/4cqpcQcuLPs