シャインマスカット誕生秘話
ブドウは果皮の色で黄緑、赤、黒に分けられます。ぶどうには欧州種と米国種という系統による分類がありますが、ここでは色味、黄緑系、赤系、黒系で分類し、それぞれの代表的な品種を紹介しましょう。色の違いはアントシアニンという色素の蓄積の違いによるものです。
近年の気象の変化、特に地球温暖化によってブドウ栽培にも危機が訪れているといわれます。それは、温暖化によってもたらされる最低気温の上昇です。この問題は意外に大きな影響をぶどうに与えています。
果物の名産地といわれるところには土地、地形、気象の条件が類似しています。日本の葡萄の産地には環境の共通性があります。それは
- 少雨、降水量が少ない。
- 内陸型盆地 高い山々に囲まれた内陸の盆地
- 最低気温が他の地域より低く昼夜の温度格差がある
ぶどう生産量1位の山梨 2位の長野 3位の山形 の各県に共通する立地の特性です。
この「3，最低気温が他の地域より低く昼夜の温度格差がある」ところが最低気温が上昇して黒系ブドウ：巨峰、ピオーネ、赤系ブドウ：オリンピア、ゴルビー、安芸クイーンなどの大粒ぶどうの着色障害が頻発するようになってきました。黒系ブドウ、赤系ブドウは着色に障害が出て秀品の比率が下がって苦労するようになってきました。
▼山形のブドウ栽培 シャインマスカットなどの品種
最高級品種の長所を受け継ぐ
こういった環境変化で一躍、脚光を浴びるようになった品種が緑系ブドウの着色障害が比較的出にくいシャインマスカットです。そして、このような理由もあり各県ともに導入を推進している注目品種が「シャインマスカット」になっています。
シャインマスカットは緑黄色の甘みが強い大粒タイプで、食べるとマスカットの香りがする。このマスカットオブアレキサンドリアという最高級品種の持つマスカット香を受け継いでその美味しい特徴を受け継いでいる点は見逃せません。
山形では９月中下旬の成熟となり、現在は長期貯蔵出荷の研究が重ねられている。12月のギフトシーズンまで美味しさを保つような保存技術の開発が研究されています。
1粒ずつハサミで切り離す
流水でやさしく洗う
シャインマスカット 冷凍で
シャインマスカットの保存は冷凍がイチオシです。シャインマスカットのみならず、ぶどうはとてもデリケートなフルーツで、常温でも冷蔵でも傷みやすいぶどうですからシャインマスカットは冷凍保存するのがおすすめです。冷凍するときの手順は冷蔵と同様に房から粒をハサミで外し冷凍容器に小分けにして冷凍します。房を外すことで、傷みなくかさばらずに保存できます。
冷凍保存がおすすなのはシャインマスカット冷凍しても味が落ちにくいからで皮のパリッとした食感は失われるが、代わりにシャーベットのような新しい食感を楽しむことができます。
▼シャインマスカットの冷凍保存のポイントは
- シャインマスカットの実を1粒ずつ房から切り離す。手でちぎると皮が裂ける可能性があるので、キッチンばさみを使用し、枝を2〜3mmくらい残して切るのがポイント。
- 次に実を1粒ずつ流水でやさしく洗い、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取る。あとは密閉できる保存容器かジッパー付きの密閉袋に実が潰れないように入れて冷凍室へ。
- シャインマスカットの実は、とてもデリケートなので、必ずやさしく洗うこと水分をしっかりふき取る。また実同士がくっつくと食べるとき傷つきやすいので注意するように。
冷凍保存用の袋で小分けして冷凍する
シャインマスカット冷凍の味は
シャインマスカットの特徴のひとつが皮ごと味わえることだ。皆さんの中にもパリッとした食感がクセになるという人もいるのでは？ただし冷凍保存するとパリッとした食感が失われるうえ、香りも生と比較すると弱くなる。
一方で冷凍保存することで、シャーベットのようなシャリシャリとした食感を楽しめるようになるというメリットもある。また食感や香りは落ちやすいが、味は冷凍してもほとんど変わらない。
タネがなく皮ごと楽しめるシャインマスカットの冷凍保存方法と美味しい食べ方を紹介した。そのまま食べても十分に美味しいフルーツだが、先述したようにシャーベットにしたりスムージーで味わったりしても美味しい。いろいろな方法で味わってみてはいかがだろうか。
冷凍保存したシャインマスカットの日持ちはそんなに長いものではありません。シャインマスカットを冷凍室へ入れたると忘れがちな冷凍した品の存在があります。冷凍保存の期間の目安は3〜5週間ほどだ。ただし美味しく味わいたいなら、なるべく早く食べるように。冷凍の保存袋には日付を入れることを忘れないようにしてください。
シャインマスカットは大粒で種なし、皮むきせず食べれて食味も良好な品種
冷凍シャインマスカット食べ方
冷凍保存したシャインマスカットは、どのように食べればいいのだろうか。先述したようにシャインマスカットは冷凍保存するとパリッとした食感が失われてしまいます。気にならなければそのまま食べてもOKです。パリッと感である皮をむいて食べても構いません。
剥いて食べるときは、冷凍室から出したシャインマスカットを10〜20秒くらい流水にさらす。この程度の時間であれば皮の部分のみ解凍されるため、あとは素手で皮をむきそのまま食べればOKです。
また冷凍したシャインマスカットは保冷の効果も期待できます。弁当に入れておくと、食べるころに解凍されるため、食後のフルーツにおすすめです。またお弁当に入れると彩りも豪華さも演出できます。
冷凍するときは少し軸を残し1粒ずつ房から外す
冷凍シャインマスカットレシピ
冷凍保存したシャインマスカットは、そのまま食べるのはもちろん、ほかの食材と組み合わせて食べても美味しい。ここでは冷凍保存したシャインマスカットのアレンジレシピをご紹介します。
シャインマスカットシャーベット
冷凍保存したシャインマスカットを手軽に味わいたいなら、シャーベットにして食べるのがおすすです。作り方は皮をむいたシャンマスカットを、4～5粒くらいミキサーにかけるだけでOK。シャリシャリとした食感と濃厚な甘みを楽しめます。栄養的には皮つきでもお試しください。気にならなければ食物繊維も豊富でおすすめです。
シャインマスカットスムージー
冷凍保存したシャインマスカットのアレンジレシピのひとつがスムージー。作り方はシャーベットと同じように皮をむき、りんご・小松菜・バナナと一緒にミキサーに入れ、豆乳を少し加えて撹拌すればOKです。シャインマスカットは甘みがあるので、砂糖を加えなくても美味しく味わえます。シャーベット同様に皮ごともお試しください。
