◆◆ ばっちゃん物語 第30話 ≪ばっちゃん子供頃のお話し≫ ◆◆
■こんもり盛りあがった土の中に顔を出す。
雪が薄くなっている土手の上の方を下から
覗き込むように見ると、こんもり盛り
あがっている所が見えました。
トコちゃんは「ばんけ、あったー!」
思わず声を出してしまいました。
上から見ても全く探せなかったのが雪と土の境目
を土手を下から見上げると、残雪の下に土の
中からようやく出たばかりの
ばんけが見つかるのでした。
心の中で「これで分かったぞー」とつぶやきました
1時間ほどかけて、じっくり探して今日の収穫は
「ばんけ」18個、これだけあれば、充分だ。
さあ、帰ろう。
お母ちゃんが喜んでくれることを思いながら
家に急ぐトコちゃんです。
帰ったら雛段にお供えして、それから
大好きな献立にしてもらいます。
今夜は「ばんけ味噌の焼おにぎり」を
お母ちゃんにお願いしてあるのです。
あの甘味噌の焼けた香ばしい焼きおにぎり
「ばんけの風味」がたまりません。