洋なし100%の発泡酒
シードルポワレとは洋ナシの発泡酒スパークリングワインのこと。フランスフランス北西部ノルマンディー地方ではシードル(りんごの発泡酒)と同じくらい親しまれている洋ナシ100%で作る発泡酒です。色は淡黄色から黄金色、ポワレ用の特別な洋梨を発酵させて造ります。
洋梨の発泡酒シードル、またの名をシードル・ポワレとも言います。洋梨の天然果汁を100%使用したシードルの一種だということなのですが、あまり知られていないのも事実です。それもそのはず、フランス国内でも知名度は本当に低いのですから当然。
伝統製法、洋ナシの種類、気候、その土地の土壌、栽培方法までたくさんの個性一杯の特徴がこの味の深みを裏付けているのです。
シードルとこだわりの伝統製法
シードルポワレのこだわった洋ナシの栽培法や製造方法も個性的です。自家果樹園の無農薬栽培した洋梨のなかでも、樹齢300年以上の洋梨だけを厳選。選別した洋梨を2~3カ月低温発酵させます。そして粗濾しして果実を残したまま、瓶内二次発酵の持続を続けることにこだわる製造法です。
その味わいといえば、心地よい甘みと、キレのある酸味とのバランスは秀逸。粗濾しした果実のにごりが残っており、洋梨のコクがたっぷり感じられます。原料にこだわり、原料の洋ナシを大切な主役にした製造工程になっています。素晴らしい洋なし生産から発酵方法への伝統的の中に差別化へのこだわりがヒシヒシ感じられます。
例えば「ラ・ブーシュ・オン・クール シードル」は天然果汁を自然発酵させた果実本来のみずみずしい香りと味わいが楽しめます。酵母を添加しないで洋ナシの自然発酵で造った「シードル・ポワレ」これもすごい。その土地特有の環境と歴史が生み出した洋なしシードルのプロトタイプなのかもしれません。飲んでみたいですね。
洋なし発泡酒ポワレの発祥地は
シードルポワレ、洋なしシードルとはどんな酒なのかというと、本来シードルとは、リンゴを発酵させて作られるアルコール飲料のことを指す。しかし、最近はリンゴ以外の果実で作られたものも、広義にシードルと呼ぶことが多くなりました。洋なし100%でつくるシードル・ポワレもそのひとつだ。世界中で生産されているが、とくにフランスのノルマンディー地方、ブルターニュ地方で作られるシードルが有名。
フランス北西部ノルマンディー地方、の地域はぶどう栽培には寒すぎて不適正なのでリンゴ栽培が盛んな地域といえます。当然りんごを原料にしたシードルの生産が盛んなところです。シードルで有名な産地といえます。
そんな洋なしシードルのポワレはフランス北部の洋梨村でひっそりと造られていて、フランス人の中でもグルメな人にしか知られていないというポワレ。というのも、美味しいのに生産量が少なく、あまり出回らないから知らない人が多いのです。
甘口、辛口、旨口などそのバリュエーションも豊富な洋梨シードル、洋なしスパークリングワインの美味しい世界を堪能してみたいものです。
りんごの産地として有名なノルマンディーですが、洋梨の歴史も古く「11世紀にはすでにこの地で栽培をされていた」と言われております。「食前酒に洋梨の発泡酒ポワレはいかがですか?」とどこのレストランでも提案を受けるほどに、地元の人々から愛されているお酒がポワレなのだという印象を強く感じます。
アルコール度数(2℃~9℃)も4度と一般的なものは低いものも多いので、食事をする際もいつもみんなさわやか感のあるポワレを選ばれていて、日本でいうビール感覚で楽しい会食やたとえば仕事の打ち合わせなどの会食の時間でも利用しているほど浸透しています。
ポワレ ノルマンディーでは
フランス北西部ノルマンディー地方のバニョール・ド・ロルヌ市より西へ20キロほどのところにあるドンフロン市周辺ではりんごと共に洋梨の栽培も盛んに行われています。フランス語で「洋梨」は「ポワール(Poire)」そして発泡酒は「ポワレ(Poiré)」と言います。
4月中旬~5月はノルマンディーの緑豊かな田園風景の中に薄ピンク色のりんごの花、真っ白な洋梨の花が咲き誇り、あちらこちらでお花見が楽しめます。ノルマンディー地方には「シードル街道(La Route du Cidre)」があることはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、このドンフロン市を中心に83kmほどの「ポワレ街道」というのもあります。
洋なしやリンゴの花の時期にはさぞかし美しいことでしょう。リンゴや洋ナシの甘い華やかな香りに包まれることでしょう。
伝統的な製造法ドンフロン地区のポワレとはどんなものでしょうか。ドンフロン地区のポワレで原産地呼称保護認定を受けている洋梨の品種は30種類ほどあります。その土地に伝統的に受け継がれている製法で、EU(ヨーロッパ連合)の厳密な規定をクリアしたものに認められる品質保証制度が確立されています。その深い伝統が厳密な決まり事で守られているのも注目したいところです。
その決まりごとの一部をみると、Poiré Domfront AOPではPlant de Blancという主力品種を元に、収穫時期も「洋梨の成熟した果実が自然と牧草地に落ちてから収穫を開始する」という規定があるそうで、100%自然発泡、ゆっくりとアルコール発酵をさせていくといった伝統製法を崩すことはありません。伝統へのこだわりはヨーロッパらしい前向きな頑固さが垣間見えてきます。
洋梨シードルポワレの飲み方
洋なしシードルポワレは、搾りたての洋梨100%でつくられるスパークリングワイン。果実味溢れる清涼な味わいと、軽やかな飲み口を楽しめるのが魅力です。ALCも2%から9%ぐらいまでで、甘味料や酸味料は一切加えていない自然の味わい。キリッと冷やしたポワレは、ディップやデザート、魚介、豚・鳥肉料理ともピッタリ、ブリヤサバランなどのフレッシュチーズと合わせると感動の味になるといいます。
シードル・ポワレをより美味しくいただく方法を紹介しよう。基本的に甘口の白ワインや、リンゴのシードルと同様の飲み方が推奨されている。美味しくいただくにはよく冷やしていただくことが決め手です。
ワインは温度をあげるほど甘みが強くなり、冷やすほど酸味が際立つ。洋梨ワインはかなり甘口に分類されるため、キンキンに冷やすことで、酸味やフルーティーな香りが引き立ちバランスの取れた風味を楽しめる。最低でも冷蔵庫で3〜4時間は冷やし、飲む直前に取り出そう。急いで飲みたい場合は、氷や凍らせたフルーツを入れて冷やすのもおすすめです。
フルーツやチーズと相性がとてもいいです。洋梨シードルはフルーツタルトや、生ハムメロンなどフルーツを使ったつまみと相性がよく、さらにカマンベールやモッツァレラ、クリームチーズなど比較的クセが少ないチーズと合わせても美味しくいただけます。甘みが強い濃厚なスイーツや、ブルーチーズのように独特な香りの食材は、洋梨ワインの繊細な風味が負けてしまうため避けたほうが無難のようです。
ポワレをカクテルで楽しむ
洋梨シードルをさらに楽しみたい時にぴったりなアレンジレシピをいくつか紹介します。手軽にできてとてもおしゃれなので、自分で楽しむのはもちろんおもてなしにも簡単で最適。
さっぱり爽快な▼「シードル・スプリッツァー」がおすすめです。
スプリッツァーは、白ワインをソーダで割るだけのシンプルなカクテルのこと。洋梨ワインで作ればシードル・スプリッツァーとなる。さっぱりした味わいで、幅広い食事に合わせやすい。ソーダは洋梨ワインの自然な甘みを活かすため、無糖のものを用意します。
デザート感覚で飲める▼「サングリア」は華やかな色どり、サングリアはワインにスパイスや果物を加えて作りますが、フレーバードワインの一種。洋梨シードルを用いる場合は甘味料を入れず、旬のフルーツとスパイスのみで仕上げるのがおすすめ。フルーツはオレンジ、レモンなどの柑橘系のものを合わせるといいようです。
長期保存も可能にする▼「フルーツのコンポート」はデザートとして最適です。
洋梨ワインが余ってしまったら、桃やリンゴ、洋梨などのコンポート作りに活用しよう。コンポートは、果物を砂糖やワインで煮ることで長期保存を可能にする調理方法ですから。
凍らせてシャーベットにしたり、アイスに添えたりと幅広く使えるため常備しておくと便利。洋梨シードルを使う場合は砂糖を控えめに調節しましょう。
地域生活に密着した飲み物
結論をいえば、シードルポワレ、洋ナシ発泡酒はさわやかな甘みと芳醇な香りが魅力。しっかり冷やして、フルーツやチーズと合わせることでより美味しくいただけます。
伝統を重んじるこの地域ならではの格式は高さも感じ取れますが、決して堅苦しく考える必要はありません。
カジュアルな飲み物です。極論すれはどんな料理にもひと工夫すればマッチします。カクテルやコンポート作りにも活用できるため非常にコスパのよい商品なのです。甘口ワインやフルーツが好きならば、ぜひ一度試してみてほしい。食前酒、アペリティフから食事、デザートまで。爽やかなフルーツの香りが高く様々な場面でテーブルを華やかに豪華に盛り上げます。
▼洋なしラフランスの花とマメコバチ