芋煮会は秋のお花見のようなイベント
山形の秋の風物詩といえば間違いなく「芋煮会」です。 今年も9月の「日本一の芋煮会フェスティバル」がお天気に恵まれ3万食の芋煮が完売となったようです。
ひと言でいうと「秋のお花見」といった方がわかりやすかもしれません。そんなイメージで職場の芋煮会、町内、自治会の芋煮会、プライベートの仲間たちと盛上げる芋煮会などです。シーズンになると頻繁ありますから芋煮疲れの方も多いのではというくらいに、それほど山形県民は芋煮会が大好きです。
自分たちの好きな河川敷の場所取りをして芋煮に使う食材やお酒を買い出しして段取りをします。実行委員を決めて、集合時間、集合場所、予算や内容を事前に検討をしてすすめていく流れはお花見と一緒、お天気を気にしながら進めて行くやり方はまさにお花見と一緒です。
そんなに頻繁にと芋煮疲れの方も多いのではいうくらいで、それほど山形県民は芋煮会が大好きで大盛り上がりするのです。
子供のころから馴染んでいる芋煮会習慣
それは山形の子供たちは小学校のころから芋煮会を学校行事でしているくらいですから、芋煮会の準備、すすめ方のノウハウはすっかり身についているのです。
9月から10月の土日、祝祭日は主な河川敷では沢山のグループが石を使って釜戸を設えて大きな鍋に芋煮を準備していきます。
河川敷に立ち上る薪を焚いた釜戸からでるいくつもの煙は芋煮会を始める合図のノロシのような盛り上がりの煙に見えます。
芋煮会用の鍋や薪、食材がセットで品揃え
東北では「川原などで里芋を煮て食う」という秋の習慣があり、なかでも山形は盛んで、それはもう本当に盛んです。
信じられないといつも言われますがコンビニでも当然のように薪が売られているのが当たり前のことです。
スーパーに行くと芋煮会3人前用 6人前用 10人用など鍋、薪、中身の食材までがセットで手に入ります。もちろん鍋はレンタル出来ます。
秋、芋煮会シーズンになれば9月10月の2カ月間は間違いなくこのようなコーナーが店舗では見つけることが出来ます。
芋煮会の意外なバリュエーション
もちろん、芋煮会にはお花見同様、お酒が付きもので、山形の地酒が幅を利かせますが最近では女性の方が幅を利かせますからあらゆる種類のお酒がふんだんに登場します。
面白いのは、芋煮会が盛り上がってのシメの逸品です。いちばんオーソドックスなところで、芋煮にカレールーを投入して「芋煮カレー」こちらは支持者が圧倒的に多く男女を問わず大人気のメニューです。
この芋煮カレーは山形のおみやげ商品にもレトルト食品で「芋煮カレー」があるくらいに浸透しています。
この野外の鍋料理の豪快さが加わって濃厚な出汁にしっかり絡んで申し分のないふかい味わいを醸します。もちろん白ごはんも準備して芋煮カレーライスが出来上ります。
その他のシメとしては、うどんを入れたり、煮込みラーメンを投入したりもします。しかしお山形名物のお蕎麦はむしろ見たことがありません。蕎麦大好きのの県なので「蕎麦は別物」と大事にある買うということかも知れません。
地域でちがう食材、牛肉、豚肉、しょうゆ味、味噌味など
芋煮会の由来からすると始まったのは山形県内陸の村山地方(山形市周辺部)のようで牛里芋と牛肉をメインに芋煮を仕立ていたようです。醤油味の牛肉が内陸地方なのです。
庄内地方(山形県日本海側)でも芋煮会が催されたりするのだが、これがまた、要するに一言で書くと豚肉に味噌味と決まっている。
個の芋煮の味や食材の違い仕立て方の違いでローカル論争が盛り上がるくらい芋煮会は山形県民にとって大事な季節の行事となっている。
スーパーなども県内を網羅したスーパーでもしっかり地域毎に違った食材を提供する芋煮会セットを間違いなく品揃えしているのす。もちろん地域に地域に密着したスーパーならでは当然の販売の姿といえます。
山形の芋煮会とは まとめ
芋煮会(いもにかい)とは、日本の主に青森県を除く東北地方各地で行われる季節行事で、秋に河川敷などの野外にグループで集まり、サトイモを使った鍋料理などを作って食べる行事のことです。
岩手県や秋田県では鶏肉を醤油仕立てにした芋煮を楽しんでいる地域もあり、山形県の庄内地方のような豚肉味噌仕立で芋煮会を開催する地域は意外と多く、宮城県、福島県そして東北には入らない新潟県の北部も豚肉、味噌味の芋煮会地域になるようです。
しかし、東北の秋は短く、その秋を目いっぱい楽しむために「芋煮」や「芋煮会」を開催するのでしょう。
それぞれに違いがあり、違った食材があってまた楽しくなると思うのです。宮城風芋煮、福島風芋煮、岩手風芋煮、秋田風芋煮といったぐあくいでしょうか。
ここには芋煮会の限りない郷土愛があふれています。これは総称東北芋煮県の「芋煮愛」といっても過言ではないと思います。
そして「芋煮愛」は「東北人」というか冬には雪埋もれる「東北愛」と同じような暖かい東北の心が繋がっているように思うのです。