だだちゃ豆の中耕培土とは
だだちゃ豆は植付けが一段落すると中耕培土(ちゅうこうばいど)という土寄せ作業を始めます。6月中旬ころからの作業で、一部は同時並行的に植え付け作業とも重なってしまうこともあります。
中耕、培土とは植え付けられた畝と畝の間を耕しながら土を寄せていく作業です。作物の栽培において、作物の株際(かぶぎわ)に土を寄せる作業をいい、土寄せともいいます。だだちゃ豆の茎の基部を土で押さえて倒伏を防ぐ物理的効果のほかに、培土によって茎の基部から不定根を発生させることも倒伏への抵抗強化となり、だだちゃ豆の茎の倒伏を防ぎます。
またウネ内の株と株との間の雑草を防御するのに役だち、培土する土はうね間の表土を耕す中耕除草用農具などで掻(か)き取るので、うね間の雑草防除や中耕の役割も果たします。
トラクターを駆使して機械で中耕と除草作業を同時にしていることになるのだが、進化しているとはいえ機械だけではだだちゃ豆の株の周りの草は取りきることが出来ないので、ここは人海戦術も同時にしていかないと雑草には負けてしまうことになります。
だだちゃ豆の土寄せの目的は
中耕、土寄せは収穫前の大事な管理作業、良質で美味しいだだちゃ豆を栽培にしていくには大切な作業といえます。
1、土寄せにより、排水性が良くなり根張りや根粒菌の着生を促します
2、土寄せすることで茎の周りに土が寄せられ不定根(根っこ)が沢山発生し風や雨などによってだだちゃ豆が倒伏することを防ぎます
3、株と株の間が耕されることから雑草が取り除かれます。雑草抑制効果があります。
4、株と株の間が掘られることから溝が出来て排水が良くなります。
それぞれ、良質のだだちゃ豆の収穫量を高めるための重要な作業です。
だだちゃ豆 土寄せのポイント
1、株元に十分土寄せし、うねの中央部が盛り上がり決して低くならないようにする。
2、遅くともそれぞれの品種の開花期までに2-3回行うようにする。
3、土寄せによる溝は、必ず排水溝につないで完結させる。
4、株と株の間を広くとって余裕を持たせると太陽光が株元まで入る。
5、お天気と相談しながら10日間隔で収穫まで4-5回土寄せをしていく。
だだちゃ豆 株間を広くする訳
伊藤さんのだだちゃ豆の株間はちなみに通常70センチに対して90センチの広い株間になっています。もちろん中耕、土寄せの作業の効率も良くなります。いちばん大事なのは、何といっても日光の取り込み、太陽の光がだだちゃ豆の株元(土から茎が出ている所)まで届くようになります。
株間(株と株の間)を広くとる。だだちゃ豆の通常の栽培より間隔を(90㎝)と一般より30%広くとって根元まで太陽の光をたっぷり浴びさせるのが伊藤さんの栽培方法です。田んぼ、畑とも光が当たりやすいように通常の植え付け間隔よりも約3割広く空けています。「 陽の光をいっぱい浴びて育った植物は栄養たっぷりです」これが伊藤さん流といえます。
土寄せすることで美味しく育つ
中耕、土寄せすることでだだちゃ豆の根には毛細根がいっぱい、これがだだちゃ豆の特徴といえます。この毛細根がいっぱいになるには根粒菌の活性化が欠かせないことやこの根粒菌の働きが大きく美味しさに関わってるほど美味しいだだちゃ豆になると伊藤さんは教えてくれました。
これがエダマメの王様!「枝豆王」であり、だだちゃ豆の栽培の真髄といえます。独特の香りと、とっても濃厚な味に脱帽。枝豆とは違うエダマメなのです。「一度、家庭菜園で栽培したい」という人も多いとか。
ただ、山形の鶴岡地方の特産であり土地に根付いた在来種、もともと門外不出の種であり、仮に持ち出せても土地や風土に合わないと育たない言われてその種子は「門外不出」家庭用でも入手は困難です。
JA鶴岡のだだちゃ豆データブックによると、なんと、だだちゃ豆にはオルニチンがシジミの2倍以上含まれているではありませんか、「やっぱりだだちゃ豆はすごい」と多くの人たちが頷きます。そのことで他の枝豆との大きな差別化が出来ます。
だだちゃ豆の里の環境とは
だだちゃ豆の産地 鶴岡市は、山形県の日本海沿岸に位置し、対馬暖流の影響から比較的温暖で「庄内米」ブランドで日本有数の米産地として有名です。だだちゃ豆の里、鶴岡市は庄内平野の南部に位置し、月山の麓に広がる出羽三山を背後にして広がっています。
標高40~150m、四季の変化が明確で年間平均気温12.2℃、年間降水量2,269ミリ、日照時間1,577時間、月山赤川水系の扇状地で砂壌土が多く、透水性が良いため枝豆栽培にもたいへん適した土地です。だだちゃ豆の美味しさにつながる要因としては、土壌がマッチしていることや湯尻川にたつ朝霧がだだちゃ豆の美味しさの秘密と大きな影響を与えているともいわれます。
▼だだちゃ豆の中耕、土寄せ作業