総合で1位は川中島白桃
「桃栗三年、柿八年」という言葉があるように桃は身近な果物のひとつ。日本では古くから栽培されてきた果物で馴染みがあり人気の果物のひとつです。品種が多く覚えずらいのが玉にキズで、桃は全国で100種以上が栽培されると推測されているようです。
7月の下旬頃から出荷が始まる山形産の桃。果物の中でも特に人気が高いとされますが、真夏から秋にかけてのくだものだけに日持ちが短く傷みやすいという完熟の桃ならではの弱みがあります。
その中でも山形県で栽培されている人気の5品種を選び出しその評価をアンケート形式で調べてみました。堂々の1位には、山形では8月下旬頃からの収穫される川中島白桃が選ばれました。
今回は味の農園の山形の桃の生産者3名と県内市場関係者1名、味の農園販売担当者の計5名にアンケートで品種の特徴とその人気度とその理由を答えてもらいました。
山形の桃の総合評価の結果
1位、川中島白桃 92点
2位、あかつき 89点
3位、黄金桃(おうごんとう) 86点
4位、黄貴妃(おうきひ) 82点
5位、だて白桃 79点
アンケート調査の内容は10項目(味の農園独自の調査)
1、「味」 :美味しさ
2、「大きさ」 :品種の特性による重さ
3、「香り」 :風味ともいいます
4、「食感」 :果肉の状態
5、「見た目、色合い」 :視覚に訴える力
6、「日持ちの良さ」 :果実の劣化しやすさ
7、「ネーミング」 :名前からうける印象
8、「希少性の高さ」 :生産の環境、めずらしさ
9、「知名度」 :一般的なネームバリュー
10、「サポート性」 :山形県や地域の支援など
- 回答者3人の生産者と1人の青果仕入担当者、青果販売担当者1人計5名にお願いしました。1項目10点満点で評価してもらいました。
川中島白桃が堂々のトップ
川中島白桃は「晩生種」と呼ばれ収穫期は山形では8月下旬から9月下旬と遅めの品種。大きさは「比較的大きく、実が硬めでしっかりとし食べ応えがある」という声がきかれた。生産量の山形県では断トツのトップで、他の追随を許さない存在。それだけ生産者にも消費者にも人気の高い品種といえます。
評価の要素の「味」という最重要な項目では川中島白桃はトップの評価が、そして「日持ちの良さ」でも商品レベルでもトップの評価が得られた。
あかつきが川中島白桃にせまる
晩生種の川中島白桃に対して「あかつき」は8月上旬から中旬に収穫される早生種となります。「果汁たっぷりでジューシー」という評価の声が多い。
お盆前後に収穫されることで最高需要期の桃という事で、「味」とと共に人気が高く「お盆の桃」という事で、評価が高くなっている。川中島白桃と共に8月の桃の2本柱という安定した評価が定着している。
3位は黄金桃で外観でトップ
3位は黄桃の仲間の「黄金桃」その名のとおり金に近い濃い色合いが特徴で「見た目」「ネーミング」「香り」でトップの評価になった。また「希少性があり販売しやすい」という声も多かった。
黄金桃は果肉の締りが締りがよく白桃にはない肉質と香りがあります。完熟で食べると果汁もたっぷりで黄桃の中では評価が高い利用になります。
9月の黄貴妃は期待度が高い
黄金桃の後に収穫される新品種の「黄貴妃」は黄金桃以上に味と香りが高いという声も出るほど期待される品種と評価されている。もぎたてから1週間ほどは硬めの果肉が感じられ硬い桃が好きなファンにも人気があります。完熟まで待てば果汁たっぷり状態での食べ方もできる万能型。日持ちが良い特徴も生きます。
その内容としては、「日持ちの良さ」と「香り」の評価がトップに位置付けられる「味」については賛否両論の声があり、まだ安定性にかけているのが実態としてあるようです。
だて白桃は安定した味と高評価
だて白桃は白桃の最晩生種のももで9月中旬から10月に収穫されます。現実的に秋の桃だから、他の果物と競合して販売しずらい時期にもかかわらず見た目が大きいから人気商品になりやすいという声もありました。
秋の桃という印象が強い白桃は「大きさ」と「日持ちの良さ」でトップに評価されています。特に大きさは大玉で「実が締り良くしっかりとし食べ応えがある」という評価が特徴的です。
川中島白桃 トップの高評価に
桃の購入、仕入基準はあくまでも 味・香りなど品質重視になっています。また仕入を決める際の判断基準では生鮮食品のご多分にもれず「食味」がトップ。次に「大きさ」「香り」と続き、品質自体に関わる項目が優先順位で高くなっています。
課題としては、桃の品種が多過ぎる事で、顧客に対して品種名が覚えずらいこと桃有るため、解りやすく品種を絞って販売していく必要も指摘されました。
生産現場からみると山形県では川中島白桃の生産が断トツで生食用の桃の50%となっています。また最近人気上昇の黄金桃が黄桃ではトップの生産量を誇ります。消費者の人気は生産現場にも大きく反映されて生産量に響いているようです。
全体としては、山形のくだものでは、サクランボに次ぐ人気商品なので、今後は生産者も増産に力を入れていくことと、販売側もまだまだも伸びていく分野なので今まで以上に力を入れてお客さまに訴求していくことが確認されました。
▼お盆頃に美味しい桃あかつきの収穫 東根市