佐藤錦 背中を魅せる手詰め
届いた時に驚き、もらって大感激の佐藤錦。それも一粒ひと粒きれいに並べられ化粧仕上げの通常「手詰め」と呼ばれる大粒のサクランボがパックに大盛り状態で盛られていきます。
このサクランボの並べ方「手詰め」は実はお得な商品です。何故かというと通常500g入りのパックに650gが詰められています。何故かというと手詰めは容器はプラスチックのバラ詰めが500g入るのと同じ容器を使います。1㎏(500g×2)と表記されている箱入りは実は1.2㎏から1.3㎏内容量だからです。
▼サクランボの平均単価の推移
さくらんぼ手詰は熟練の技
手詰めは底から粒が動かないようにさくらんぼ同士をぴったりした状態で詰めていきます。容器は底の方が狭く家に行くほど広く出来ていますから、下はやや小さめの粒になり上に行くほど大きな粒を動かないように密着させて詰めていく方法なのです。
ですから、少々の運送中の振動では粒が飛び出すようなことがないような詰め方をしています。そんなわけで粒同士を密着させて隙間なく詰めるの500gの容器には600gから650gの佐藤錦が納まることになるのです。サクランボの実を隙間なく石垣のように詰めていくことから別名、石垣詰めともいいます。
手詰めサクランボ 佐藤錦の妙味
じつはこの手詰めという詰め方ができるのは佐藤錦だけなのです。佐藤錦以外の品種ではでは手詰めが出来ません。それは実の形になります。佐藤錦の形状はようく観ると球状のまんまるをしているのです。
他の品種、良く見るとマルというより軸の反対側の先端の方が細くなった三角に近い丸みを帯びてとがっています。心臓の形のような特に紅秀峰などは手詰めが出来ません。
この形だと石垣のように積んでいくと間隔が埋まらないため、隙間が大きくバラ詰めと変わらない隙間だらけの詰め方になってしまいます。
また、佐藤錦の見の柔らかさと弾力が手詰めをやりやすい弾力があり、弾力のある質感がモノをいいます。石垣を積むとき粒同士ぴったりくっつく質感が手詰めを容認しているといえます。
▼桐箱鏡詰め 詰め作業とは
佐藤錦、鏡詰めの美しさ
またさくらんぼのサイズが2L以上の大粒ばかりを並べて、化粧箱や桐箱に詰めた「鏡詰め」はもっとすごい。鮮やかに赤く、容器にすき間なくきっちりと並べられた様子は、さながら名人芸を見るようですね。一つ一つサイズを確認しながらプレートと付き合わせて大きさを選別しています。
鏡詰めは予め一粒ひと粒選果して大きさを揃えて準備します。そして容器の表を下にして粒の先を下にして1個ずつ詰めていきます。そして2段に並べていく方法。選果して色と粒を揃えるのがいちばんの難易度で並べるのは手詰めより難しさはないようです。
さて、粒揃いの美しさを見せるためには、すべての背中が赤く色付いていることが条件。そのため収穫時には、お腹の着色状態と背中の色も確認しながら摘むという手間のかかる収穫方法をしているのです。
この鏡詰めだとやや先端が尖った紅秀峰や紅てまり等の晩生種でも綺麗に並べることが出来るのです。
同じ品質サイズでも詰め方で
同サイズのものだけを並べていくが、熟練した腕がないとこうはいかないのですね。ところでこの時のさくらんぼの実は背中を上に向けて手詰めされているのです。何故かというとサクランボの背中の方が色濃くツヤがあって、しかも盛り上っているからです。
だから同じ背中の盛り上ったサクランボの実が一段と真っ赤に輝いてきれいに見えるのです。背中と比べると色が少し薄いおなか側にはよく視るとタテにスジが一本はいっています。
バラ詰芽めされた佐藤錦でも、お腹が上を向いているものを背中をを上にするだけで前々印象が変わります。お腹が上を向いていると軸が目立ってサクランボの色がうすく見えます。反対に背中を見せてやると佐藤錦の赤い色が強調されて、とても品質が高く見えます。より高級サクランボに見えてくるから不思議です。
詰め方 バラ詰め 手詰め 鏡詰め
やっとのことで収穫だが、これも1個1個色づきを見て確認し、軸をつけてそっと手でもぎ取る。手詰めともなると、向きをそろえ、粒をそろえながらの熟練した腕も必要になってきます。
この容器にきれいに並べて詰める作業はなかなかの熟練が必要で、この作業をする人手不足が深刻な問題として中々ままならなくなってきました。平均年齢は、年々か高くなるばかりですが、若い者には負けられないと皆さん、がんばってシーズンいっぱい努めます。
ご自宅用の場合はバラ詰めでもいいが、贈答用には、やはり美しく並んだ手詰め、鏡詰めが人気が高い。こちらは専門の詰め手出ないと出来ません。一日に10箱詰めるのがやっとです。
▼栽培面積と生産農家戸数の推移
さくらんぼの詰め方色々
サクランボの詰め方には、バラ詰め、手詰め、鏡詰めがあります。用途に応じて量目(重量)も品種も様々に内容が変わります。サクランボは大粒の方が同じ着色だったらより美味しいです。
用途で分けるとご自宅用にはバラ詰め。詰め方が簡単なため価格がリーズナブルです。手詰め、鏡詰めは贈答用につくられますが、一度ご自宅でも試してみる価値はあります。なぜなら、大粒であり着色が一段と良いので、食味も高まり違いが感じられます。
熟練の技「鏡詰め」は高品質の大粒サクランボ
佐藤錦は徹底した人の手で
贈答用の箱に納まる佐藤錦は収穫した佐藤錦の約3割、残りは着色が悪いとか粒が小さいMサイズ以下のものです。もちろんこの数字は統計であり、生産者の技術の違いは大きく、規格品の割合は個人差がありその割合はバラツキます。
サクランボの生産統計から生産状況は、7割のサクランボは市場規格でいう秀品Lに満たないサクランボなのです。このサクランボは量販店、八百屋さんの店先に並んで季節の彩りを店頭で盛り上げています。しかしサクランボ生産者からすると、割の合わない価格で買い取られたものと言えます。
このようなことが背景にあるので生産者は3割の規格品を30%から少しでも多くするために最大の努力します。贈答用になる規格品を生産しないと採算がとれない経営になってしまいます。それほど市場価格には大きな違いあります。なのでMサイズ以上の規格品にするため多くの努力を惜しみません。
▼さくらんぼの花が満開のとき 佐藤錦
佐藤錦は なぜ高い? まとめ
さて、さくらんぼはなぜ高価なのか?、その答は簡単です。気象条件のリスクの厳しさも含めて、栽培に人の手でしか出来ない細かな作業が数多く存在して、手間が驚くほどかかるからです。
サクランボの詰め方には、バラ詰め、手詰め、鏡詰めがあります。そして、収穫からパッケージングも全て手先がものをいう熟練の職人技が支えています。
特に、恒常的に人気の高いサクランボは贈答用のサクランボの共給不足の状況があるので品質の高い品がより高い価格で流通することになるのです。
贈答用の大粒で真っ赤なサクランボ佐藤錦は特に規格品になれなかった贈答用以外のサクランボ佐藤錦の市場価格の格差は2-3倍の違いがあります。このようなサクランボ事情が佐藤錦の価格をより高価に印象付けています。
「さくらんぼは最初から最後まで人間の手をかけてやらないとね」と、生産者が言います。収穫の後もお礼の肥料を与えたり、冬のさなか雪の中の剪定、芽かきと続き、1年中世話をする。これで「果樹園の宝石」といわれる理由も納得できる事と思います。