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くだもの歳時記

庄内平野の酒蔵で発酵熟成してシードルに

蜜りんごシードル こうとくシードル

蜜りんごの美味しさ乗せシードル


リンゴや洋なしのシードルの歴史はワインと同じくらい古く、ヨーロッパでは紀元前からシードル造りがおこなわれていました。4世紀ごろには、ローマでシードルを意味する単語が使われるようになり、9世紀にスペインにおいて、りんごのお酒を意味するものとして定着します。

 

さて、この度の「蜜りんごシードル」は蜜入りリンゴの究極品種といわれる品種「こうとく100%原料」です。天童市の阿部りんご園の生産した特有の香りの高さ、爽やかな果肉の深み、濃厚な味わいを表現できるように、他のりんご、他の品種では実現できない完熟の果実「こうとく」を原料にした至高のシードルをめざしました。

 

この蜜リンゴこうとくは無名だったころから蜜の美味しさに魅せられた生産者が10年以上の歳月をかけて育てたリンゴこうとくの歴史も重なって、シードルの開発に繋がりました。

 

蜜りんごこうとく こうとく 高徳

最近注目度が高まってきた人気品種こうとくは蜜入りが半端ない


阿部りんご園 栽培の取組み


阿部りんご園では、黄色系、シナノゴール、シナノスイート、昂林・こうとく・サンふじ栽培をしています。作業体系を考えて早生から雪の降る晩生までを季節ごとに組み合わせています。

早生:昂林(早生ふじ)、シナノゴールド、シナノスイート、 こうとく(中生) サンふじ(晩生)の品種構成で同じリンゴでも作業がかぶらないように阿部りんご園では有効な作業配分を考えた一年の作業体系が構築されています。

 

「ふじりんご」は通常、果実に袋をかぶせて育てる有袋栽培が主流でしたが、「サンふじ」は果実に袋をかけないで生産した 無袋栽培したふじりんごを主力にしています。

 

山形県はその無袋栽培のりんごの発祥の地なのです。ここ山形県から無袋栽培の技術は広がって全国に「サンふじ」の栽培技術が普及していったのです。

 

無袋栽培に移行していった理由は、年中、陽に当っているりんごのほうが糖度も高くまた蜜もいっぱい入って、見た目は良くないが格段に美味しいからという発想の転換でした。

 

反面、無袋栽培の欠点は表皮に日焼けなどが現れ、見た目が劣ることです。つまり見た目より食味重視の考え方重視です。どちらが良いかはお客様が判断してくれるわけですから。

 

サンふじ 無袋栽培ふじ 山形県朝日町

ふじリンゴの無袋栽培は山形県朝日町で開発された


太陽いっぱいの栽培方法 サンふじ


無袋栽培は山形県朝日町で確立された食味重視の栽培方法です。この無袋栽培の技術の流れが山形県では長年に渡り受け継がれ、早生ふじ昂林(こうりん)にも生かされています。昂林(こうりん)は9月の太陽をたっぷり浴びて9月下旬には収穫がはじまります。

 

そして、1カ月後の11月になると、蜜入り王と呼ばれる「こうとく」の収穫があります。こちらのこうとくは阿部りんご園のイチオシりんごで蜜入りと香りが高い希少な蜜入りりんごといえます。

 

そして最後は、11月中旬に始まる樹上熟成のサンふじです。太陽いっぱいの無袋栽培で作った「ふじりんご」を特にサンふじと呼ぶのです。

 

皮ごとサンふじ サンふじ 山形りんご

無袋栽培の長所は蜜入りと食味の良さ、表皮は着色良いが日焼けが


皮ごと食べられるりんご40年


生産者の阿部さんは農薬を極力抑えて、化学肥料も必要以上には使いません。除草剤も使いません。それは子供が丸かじりできるリンゴ「水洗いして丸かじりできるリンゴ栽培」がモットーで40年続けています。

 

有機質肥料である完熟たい肥を中心に有機質の堆肥を土作りの中心にした土作り重視の栽培を40年以上続けています。「子供たちに安心して与えられる高いレベルのリンゴ作り」そして子供の味に関する敏感な味覚を大切な判断基準してきたからです。

 

また「一日1個のりんごで医者いらず」といわれるように、リンゴはお腹の調子を整えてくれるといわれ、りんご健康法ともいわれるくらい毎日食べたいくだものです。

 

阿部さんは「美味しいりんごを毎日食べて多くの人たちから健康になってほしい」と心から思っています。食卓に果物がある日本型食生活が今ある生活習慣病の改善に貢献できると信じてのことです。

 

早生ふじ昂林(こうりん)を始めとするリンゴの果実には多くの水分が含まれていますので、お風呂上がりや運動の後、身体の水分が失われた時の大事なカリウム、食物繊維など大切な成分と共に水分補給にも活躍します。

 

毎日の食事にはリンゴなどの果物が不可欠です。食前、食後を問わず、食卓の常備食としてのりんごは健康生活に貢献できることをめざしてやみません。

 

オードヴィ庄内 日本酒蔵元 酒蔵

オードヴィ庄内では日本酒の蔵元だが個性的な商品を手掛ける


オードヴィ庄内でシードル製造を


酒造の設備を持たない味の農園がこのシードル醸造を委託したのは、地元酒田市の熱心な醸造家で日本酒蔵元のオードヴィ庄内の社長、佐藤晴之氏と息子で杜氏の琢磨さんです。吟醸酒などの日本酒ばかりでなく果物の原料の果実酒への取り組みも早くから手掛けてきた小さな酒蔵です。

 

蜜リンゴのシードルは、特に蜜リンゴこうとくは生産技術が難しいのと果実の劣化が早いため生産量が少ない市場に出回りが少ない品種です。「蜜リンゴこうとく」100%の蜜りんごシードルは唯一無二のシードルです。シードルにも甘口、辛口がありますが、やや辛口の果実の香りが残るドライのテイストです。

 

このように「こうとく」という蜜りんご100%の原料にこだわり天童市の阿部りんご園の生産者を限定、生産量はごく少ないため、一般の酒販店に卸すことが出来ません。

このような理由で、味の農園の直接販売が唯一の販路になっています。

 

オードヴィ庄内 蔵元 日本酒

大吟醸に使う掛け米を蒸している工程


蔵元「オードヴィ庄内」とは


「オードヴィ」とは、フランス語でいう「生命の水」という意味で有り、 ブランデーが不老長寿の薬として錬金術たちによって開発された歴史を物語っています。

また、グリム童話に「命の水」というお話があります。ブランド名「清泉川」という日本酒を造る「生命の水」は、祖先がこの地に定着するきっかけとなった敷地内に涌く「鳥海山の伏流水」です。

 

この鳥海山の伏流水は、豊かな庄内平野を潤し、その水により何処よりも美味しいお米が収穫でき、そのお米を使って地下に涌く伏流水からオードヴィ庄内の「清泉川」ブランドが醸造されます。

 

また、庄内の豊かな各種農作物も鳥海山の伏流水で育まれており、清泉川ブランドの根本も鳥海山の伏流水から造られます。どちらもキーワードは「水」であり、それは「生命の水・オードヴィ」なのです。現在の会社名オードヴィ庄内は、平成5年に組織を株式会社に変更する際、社名を「オードヴィ庄内」と名付けました。

 

庄内地方の名前の由来は、平安時代の末期よりこの地区は、後白河法皇が所有する大泉荘と呼ばれた荘園。この「荘園の内側」すなわち大泉荘内をもって、庄内と呼ぶようになったといわれます。

酒米 雪若丸 麹米

雪若丸を使った純米吟醸の工程


蔵元オードヴィ 環境への取組み


CO2削減米生産への挑戦 山形県産「雪若丸」の取組み本プロジェクトはバイオ炭を、動植物性の有機質肥料を栽培所に採用することで二酸化炭素の削減CO2削減米が生産されます。

 

●バイオ炭とは

未利用野菜・未利用資源から、もみ殻をいぶし焼きして炭化させたものを製造する技術を使って、製造過程でも二酸化炭素を出さない炭です。それだけじゃなくて、使用するのはバイオ燃料のみとなります。

 

●雪若米はどれだけ削減できるか

この農法により作られている、オードヴィヌーボーの原料米となる「雪若丸」「雪若丸」を2kg利用することにより二酸化炭素削減量は3.8kgに相当します。

 

あんまりピンとこないですよね。皆さんが髪を乾かす時にドライヤーを使用すると考えてみましょう。女性が毎日使うドライヤーは小さい家電なのに、電気代が高く付く家電でもありますよね。それくらいパワフルなドライヤーですが、10分程度で100gの二酸化炭素排出量とされています。

 

そう考えると、「雪若米」はヘアドライヤー2時間〜4時間分の削減量できます。ヘヤドライヤーを2時間〜4時間つけっぱなしにすると想像すれば、電気代が大変なことになりそうですよね!

 

「雪若米」はそれくらいの削減量を実現しているすごいお米です。

 

▼創業明治8年醸造蔵 オードヴィ庄内

 

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