さくらんぼ 世界最大級に挑戦
2022年、さくらんぼ県、山形から待望の超大玉新品種「やまがた紅王」が、6月23日に先行販売となりました。大きな期待と次世代さくらんぼに求める未来は時間と共に大きく広がってきました。
サクランボの国内シェア約7割超を誇る山形県は山形さくらんぼの威信をかけて取り組んでいます。2023年には日本一厳しい選別基準を設け厳選規格で「やまがた紅王」を全国に向け本格発売する予定でいます。
超大粒さくらんぼ選別基準
次世代の超大粒サクランボをうたい山形県が開発した大玉の新品種「やまがた紅王」の先行販売が2022年6月23日に始まりました。
本格販売となる2023年に出荷されるのは雨よけハウス栽培に限定し、2L以上の超大粒だけを合計約6トンという大胆な計画です。厳格、厳重なブランド管理で、首都圏など大消費地へ重点的に出荷するということです。
やまがた紅王厳しい出荷規格
やまがた紅王の出荷規格表にふれると、2L以上の大きさでないと出荷できないという厳しい出荷規格を決めています。2L以下の場合はすべて(山形C12号)とするとしています。
「やまがた紅王」の品質基準は、以下のとおりとする(令和2年8月 25 日決定)。 【大きさ】2L以上(果実横径 25mm 以上) ※L以下は「山形C12 号」とする 基準にします。
【着 色】着色の基準は紅秀峰に準じる(秀:80%以上、優:65%以上、良:50%以上)
かなり濃い着色です。
プレデビュー先行販売:令和4年(2022 年) 本格販売:令和5年(2023年) ついに皆さまの目の前に登場します。
世界最大級のさくらんぼに
やまがた紅王の大きさは、直径が25ミリ(2Lサイズ)以上の大玉で、3L~4L(直径30ミリ前後)が中心。これまでの試験栽培のデータ、栽培試験では大きいもので5L(34ミリ)以上にもなり、世界でも最大級のサクランボです。もちろんですが超大玉に育てる栽培方法は高い技術が求められます。
食味と品質の面では、糖度は20度以上で、高級品種「佐藤錦」並みの甘さ。酸味が少なく上品な甘さが楽しめ鮮光色といわれる鮮やかな紅色の輝きが特徴で、果肉は硬く、日持ちも優れている特徴があります。
次世代さくらんぼへの熱意が
2023年からの本格販売を予定し少量を2022年に先行販売する形にしています。2L未満には「やまがた紅王」の名称はつけられないという、生産者には中々厳しい出荷基準を決めています。
また、実の赤い部分の着色も50%以上と決められている。この特殊性をアピールするため東京都内のスイーツ専門店などでフェアを行い、やまがた紅王の知名度向上と市場動向を探っていく計画としています。
さくらんぼ市場関係者の説明会
2022年に「やまがた紅王」の市場関係者に行った説明会では写真を撮って、着色や色つやを確認。JAや市場関係者らが山形県天童市で生産者の出荷を受けて真剣に確認作業をしています。
6月に山形県天童市で行われた市場・流通関係者らを対象にした出荷説明会では、500円玉よりはるかに大きく、目に鮮やかな鮮光色の大玉が並びました。これを見た関係者は、まさに見事というしかありませんと口をそろえます。
県園芸大国推進課の担当者が、「やまがた紅王」を専用パッケージに宝物のように詰める方法などを実演してみせ、集まった市場関係者らは熱心に聞き入って真剣な表情です。
新さくらんぼ開発に20年の歳月
やまがた紅王を開発したのは山形県農業総合研究センター園芸農業研究所。品種開発から苗木販売まで、実に20年の歳月を費やしてきました。
やまがた紅王の初物を手にとった同研究所の所長のコメントは「大変、感慨深い」と、長かった道のりを振り返りしみじみ語ります。この研究所でのキャリアのほとんどでサクランボの新しい品種開発に携わってきたからだといえます。
さくらんぼほとんどの品種が自分自身の花粉では受粉できません。これを「自家不結実性が強い」といいます。自家不結実性のものが他品種の花粉で交配することを「交配親和性」といいます。
サクランボの場合、相性の良い品種としては『佐藤錦+ナポレオン』、『高砂+ナポレオン』、『紅秀峰+佐藤錦』などが挙げられます。 反対に品種によっては、交配しない組み合わせもあります。
新品種やまがた紅王 まとめ
全国のさくらんぼの7割以上を生産する山形県が満を持して開発したのが、「佐藤錦」・「紅秀峰」に次ぐ第三のさくらんぼ品種である「やまがた紅王」です。これまでのさくらんぼと違う最大の特長は果実の大きさです。
果実の大きさは3L(横幅28㎜以上)~4L(同31㎜以上)中心の大玉で、500円玉サイズより大きくなります。また、「佐藤錦」並みの糖度で酸味が少なく、食味良好で、果肉が硬いため日持ち性に優れます。
山形県の関係者は大粒の規格を設けて次世代さくらんぼ やまがた紅王に高い値段が付けば、高齢化が進む生産者に張り合いが出るとモチベートに期待しています。
やまがた紅王に関して県も生産者団体も期待も大きく、数年後には物量で圧倒し、全国的な認知度は高くなるのは間違いありません。
また「サクランボと言えば山形というイメージも後押しするだろうが量が増えれば品質にばらつきが出る可能性もあり、注意が必要だと心配な点も指摘」今後の取り組みについて、緊張感をもって引き締めているともいえます。
▼次世代超大粒さくらんぼ やまがた紅王 -山形放送2022年6月26日-
https://youtu.be/4cqpcQcuLPs