1個のりんご 医者を遠ざける
りんごを含む、果物と野菜を1日5皿食べる「ファイブ・ア・デイ」を実践する家庭で育った人なら、「1日1個のりんごは医者を遠ざける」という古い格言を知っているはずですね。
果物と野菜を1日5皿食べる「ファイブ・ア・デイ」という意味は1日、果物を200g以上と野菜はたくさんという意味に置き換えて、フルーツと野菜をたくさん食べると医者を遠ざけるよという意味でいいと思います。
ここにあるのは定カロリー、食物繊維というキーワードです。でも、本当に野菜とりんごにはそんな効果があるのか考えてみたいと思います。
りんごは定期的に食べると?
「1日に1個のりんごは医者を遠ざける」というのは、イギリス・ウェールズ語のことわざ「寝る前にりんごを1個食べると、医者の仕事がなくなる」に由来すると言われ、1866年に初めて登場した言葉です。
アメリカ医師会が発行する『JAMA インターナル・メディスン』に発表された最近のアメリカの研究によると、りんごを食べることと医師の診察回数の減少との相関関係は見られなかった。
しかし、健康的でバランスのとれた食事の一部としてりんごを含む果物や野菜を定期的に摂取することで、慢性疾患の予防と健康維持に役立つことがわかったのです。
つまり、結果的に手術を伴うような病気をしたり、病院通いになったりすることを防げる可能性があるということです。
りんごは何個食べればいい?
中サイズのりんご(150g)を毎日食べれば「ファイブ・ア・デイ」の1つにカウントできるので、1日の果物と野菜の摂取目標に近づくことができる。りんごにはバラエティ豊かな品種があるので、おやつとしてはもちろん、食事のメインディッシュの食材としてなど、さまざまな方法で楽しむことができる。
ウィンターサラダのトッピングにすりおろしたりんごをのせたり、スライスして朝食のオートミールに混ぜて食感をプラスしたり、シナモンをふりかけて煮込めば温かいコンポートにもなります。
リンゴには食物繊維ペクチンがたくさん含まれています。お腹の調子を整える整腸作用などがあるといわれます。りんごの実と皮には多くのペクチンが含まれていますので皮ごと食べることによってペクチンを大量に摂取出来ます。
このペクチンは天然の整腸剤といわれるほど、下痢にも便秘にも良く働く優れものといわれます。注目したいのはりんごを100℃以上で加熱することによって、ペクチンが6-9倍にもなるという研究結果です。
ファイブ・ア・デイできる?
栄養士いわく、答えはイエスだそう。「ファイブ・ア・デイ」は最低限やったほうがいいし、1日5種類どころか1日7種類のフルーツと野菜を食べてもいいくらい。でも残念なことに、これを実践できている人はほとんどいません。問題はあまりにもファストフードや出来上がっている総菜に頼っている現代の忙しい社会にあるようです。
「ファイブ・ア・デイ」のフルーツと野菜の目標値を達成している人の割合を年代別に調べた、最新のイギリスの国民栄養調査の結果を見てみよう。
数字を満たしているのは、10代(11~18歳)男子は7%、女子は9%、成人(19~64歳)男性は29%、女性は32%、65歳~74歳の男性が31%、同じく女性が32%、そして75歳以上の男性は18%、同女性が20%。
平均すると、19~64歳の場合、毎日4.2種類の果物と野菜を消費していることに。それに対し、10代の平均値は2.7種類。この結果から、イギリス国民全体で食生活を改善する余地があると同時に、「もっと野菜と果物を食べる」というシンプルなアクションで達成できる目標でもあることがわりました。
くだもの摂取量 最低レベル
「イングランド公衆衛生局」の食生活改善ガイドによると、毎日の食事の3分の1以上を野菜と果物で占め、かつ5種類以上を食べるのが理想。種類は多ければ多いほどベターということですが、野菜と果物の割合についての具体的な記述はありません。
しかし、前述したように野菜と果物の摂取量が不足しています。野菜と果物の割合を増やす努力をすることです。果物を例にとると日本人のくだもの摂取量は世界で最低のレベルで140g/1日です。アジアの各国の中でも下位なのです。この現実から見つめなおさないといけないという現実があります。
リンゴ 気になる血糖値は
また、よくある質問ですが、果物は糖分が多いのが気になるという人や血糖値を気にする方も多いですが。りんごをはじめとする果物や野菜の糖質は天然由来。その糖分は、植物の細胞構造内にあって食物繊維に包まれているため、消化に時間がかかり、血流中での吸収がゆるやかです。
また果物は、糖分だけでなくさまざまな栄養素が豊富。りんごを食べると、複数のビタミン、ミネラルをはじめ、フラボノイドなどのファイトケミカルも摂取できること。そして86%の水分と、腸や心臓の健康にいい食物繊維がたっぷり含まれていることもお忘れないでください。
果物どのくらい食べる?
重要なのは、健康と幸福のために、毎日果物と野菜の両方を幅広く食べるべきだということ。「ファイブ・ア・デイ」を達成しているのは、成人のわずか30%だけなので、ほとんどの人は果物や野菜の摂取量は減らさないようにして、むしろ、もっと積極的に食ベたるようにしたいものです。
自分が毎日どれくらい野菜や果物を食べているか、一度きちんと見直してみて。それが食生活の改善への近道になります。1食でとるべき果物の量は80g程度。りんご、バナナ、梨ならば1個程度が目安になります。
みかんや、プラム、アプリコットなど小さめな果物であれば2つ。ボウル一杯分のフルーツサラダ、ベリー類、ドライフルーツ大さじ1杯程度(約30g)も、1食分とみなすことができます。
砂糖を加えていないフルーツジュースや野菜ジュース、スムージーの場合、1日につき小さめのコップ1杯分 (約150ml)までが適量とします。
りんごを食べる良い方法とは
人間と同じように、りんごにも個性がある。そして、正しい状態で保存し、最適な方法で調理すれば、その素材の良さは栄養とクオリティの両面で最大化されます。
りんごの品種の個性を活かすなら、皮をむかずに生で味わってみて。切り方も、スライス、角切り、すりおろし、スパイラルカットなど、いろいろ試して皮つきで食べる機会を増やしてください。
りんごの栄養素を最大限に吸収したいなら、生食、皮つきがベストです。もし調理するなら、りんご大きめにカットするのが鉄則。実際、りんごは焼き菓子にもぴったりで、加熱調理することで、また違った食感や味を楽しめるばかりか栄養成分が増加することもあります。ペクチンなどがいい例で加熱すると数倍増加する例があります。
りんごは調理する直前に切ることがポイントで、長く水に浸けたままにしたり、空気や光の下にさらしたりするのは酸化の原因です。レモン汁など変色を抑える下処理で壊れやすい水溶性のビタミンCをはじめ、りんごに含まれる栄養素の流出を最小限に抑えることができます。
毎日くだもの200g運動
「毎日くだもの200グラム運動」とは、日本人の毎日の食生活に果物を定着させるために、果物の小売業者、生産団体、その他の関係機関等が、各々独自の果物の販売活動や果物に関する知識の普及啓発活動です。
毎日くだもの200グラム運動の指針やホームページの情報を活用することで、全国が一体となり果物の消費拡大と健康生活を図るための運動です。
▼簡単レシピりんごコンポートゼリー