全国一のさくらんぼ産地山形
山形県でさくらんぼの栽培が始まったのは、明治8年のことです。全国で育成が試みられる中、実らせることに成功したのは山形県とその周辺と北海道でした。
大きな要因となったのは気候でした。雨に弱いさくらんぼにとって、山に囲まれ空梅雨になることが多い山形の環境が非常に適していたのです。当時は生食での流通が難しかったことから、缶詰用の栽培が主流だったと言います
現在つくられている品種の最高峰は「佐藤錦」。黄色に紅色が差す美しい見た目、甘味と酸味の絶妙なバランスが人々を虜にしてきました。生みの親は、東根市の佐藤栄助氏。家業の醤油醸造を果樹栽培に切り替え、日持ちが良く甘みにも優れた生食用のさくらんぼを、関東方面に出荷できないかと考えたことに始まります。
さくらんぼ生産シェア76%
さくらんぼの日本一の生産量を誇るのはもちろん山形県。日本全国の生産量の約8割弱が山形で栽培されている。その山形県で栽培されるさくらんぼの品種は数十種類とあるけれど最も人気があるのはもちろん佐藤錦です。
開発者の佐藤栄助氏の尽力を称えその名がつけられたものです。最近では新品種「紅王」や紅秀峰、紅きらり、紅てまりといった品種も人気が出てきました。
圧倒的シェア山形さくらんぼ
さくらんぼの生産量の全国計は19,000tですが、トップは山形県の14,500tで、76.3%と圧倒的なシェアとなっています。山形県のさくらんぼ生産量は10年平均で13000t前後です。
日本でのサクランボ栽培は、1872年に北海道開拓使がアメリカから輸入したのが始まりとされていますが、山形県にも広がり、現在に至っています。そして山形県の中でも、東根市が有数の産地となっており、品種「佐藤錦」も東根市の佐藤栄助氏が大正時代に作り上げた品種です。
また、2位は北海道で7.5%、3位は山梨県で6.3%のシェアとなっています。さくらんぼは、夏の暑さに弱いため、比較的、北海道や東北地方など、北の方で栽培が行われています。特に梅雨期の果物のため雨の多い地方では栽培に無理があるようで、内陸型盆地の温度格差がある地域はサクランボ栽培には向いています。
艶やかな赤い果実、口に入れた瞬間に広がる甘酸っぱい果汁、さくらんぼは初夏の1番人気のフルーツサクランボは山形県が生産量、シェア一位です。
東根市などが桜桃生産トップ3
山形を代表する味覚、さくらんぼ。日本一の生産量を誇り、全国の75%以上を占めています。県内生産量のトップ3は常に東根市、天童市、寒河江市です。互いに隣接した村山盆地の中央に位置しています。
なぜ、さくらんぼの産地となったかといえば気象、気候的な要素が大きく関わっています。内陸型盆地の梅雨期に雨が少ない特徴がさくらんぼ生産には好適とされています。月山、蔵王などを中心に、壮麗な山々を望んでいることも風害から守られる要因です。そんな景色豊かな環境の中に、さくらんぼ畑が広がっています。
山形は日本のさくらんぼの約8割を生産しており、圧倒的なシェアを誇っている。まさに「さくらんぼ王国」の名にふさわしく、そのブランドは全国的な知名度が構築されています。山形でさくらんぼ生産が盛んなのには訳があります。さくらんぼは明治時代に日本に輸入されたが、当時はまだ栽培技術が発達しておらず各地で自然災害等による失敗を繰り返しました。
しかし、山形は結実時期の梅雨期の降雨が少なく、霜害や台風による被害が少ないことから栽培に成功しました。その後は山形の特産品として、官民一体となって生産と知名度アップに力を入れ、日本一の産地へと成長してくのです。
さくらんぼ シーズン開始時期は
さくらんぼ生産量のトップ3は山形県、北海道、山梨県ですが、通常栽培の場合、山梨県が6月上旬からと一番早く収穫が始まります。次に山形県、北海道の順にシーズンが始まります。
山形産のさくらんぼと言えば、佐藤錦が代表的な存在ですが、最近では新品種も登場しています。いずれも従来のさくらんぼを交配させて品種改良したもので、特に人気があるのが「紅秀峰」や大玉で注目の新品種「紅王」です。
紅秀峰は佐藤錦より大粒で、甘味が強く、果汁も豊富に含んでいます。紅きらり、紅てまり、紅秀峰はハート型をした果実が愛らしくいずれも佐藤錦に勝るとも劣らない味わいです。さくらんぼの旬の時期は6中旬~7月中旬頃まで、主力品種佐藤錦は6月下旬から7月上旬までです。
ちなみに世界のサクランボは
チェリー(サクランボ)の世界の生産は生産量の世界一はトルコで、664,224t世界シェアは25.6%です(2019年)。生産量1位のトルコ、2位のアメリカ、3位チリの3ヶ国あわせて、世界の生産量の約47%を生産しています。その中日本は世界24位にランクしています。
トルコのさくらんぼは生食よりもドライチェリーやジャムなどの加工品が多く。輸出も多く生食で食べられるのはほんの一部にすぎません。それもそのはずトルコのチェリーは日本のリンゴ生産量76万トンに匹敵する膨大な量のチェリーを生産しています。
根本的に世界のチェリーと日本の桜桃、さくらんぼは、分類は同じでも違う果物といえるほど深い食文化、古い歴史の背景あります。まさに違った果物のような違った価値観が窺えます。
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