だだちゃ豆の由来は在来種
「だだちゃ豆」は山形県鶴岡市で江戸時代にこの地で栽培されていた「娘茶豆」の中から大泉村(白山地区)の生産農家である森屋 初(もりやはつ)という女性育種家が発見した1本の変異種にはじまるといわれています。
森屋 初の実家の家号が藤十郎だったことから、暫くの間は「藤十郎だだちゃ豆」などと呼ばれていたようです。女流育種家が育成したこの1本の変異種を独自に選抜淘汰を繰り返し改良した「在来種」が「だだちゃ豆」の源になっているのです。
そして、この集落の女性たちの努力によって「だだちゃ豆」の里、白山地区(旧大泉村)にその栽培が広がり、この地区で生産農家に代々伝承されてきました。各生産農家はそれぞれに工夫を凝らし良質の種の選抜を長年繰り返し「だだちゃ豆」をより美味しい豆に育てることを競い合って栽培がおこなわれてきたといわれています。
だだちゃ豆の種を自家採取
今でも各生産農家は、次年度の種子は自家で選抜淘汰を繰り返し自家採種し、門外不出の家伝の宝として扱っています。長い期間に渡り生産者の情熱と地域がこぞって競い合って「だだちゃ豆」の栽培に努力してきた結果、このような背景が現在進行形の「だだちゃ豆」をより美味しいエダマメの典型として全国的に知られることになった要因なのです。
庄内藩十四万石の城下町の鶴岡市で明治維新後も地域で慕われてきた酒井家の殿様は「だだちゃ豆」を地元鶴岡の地域特産品として奨励し、また生産者をはげましてきたことも大きな役割のひとつと言えます。
だだちゃ豆、白山だだちゃ豆は鶴岡市白山地区(大泉地区)に伝わる伝統野菜であり庄内地方で愛される夏の風物詩になっています。
だだちゃ豆協会認定の品種8種
「鶴岡だだちゃ豆生産者組織連絡協議会」が8品種をだだちゃ豆と認定している
1、「小真木(こまぎ)」 7月下旬
2、「早生甘露(わせかんろ)」 7月下旬から8月上旬
3、「甘露(かんろ)」 8月上旬
4、「早生白山(わせしらやま)」8月上旬から8月中旬
5、「白山(しらやま)」、本豆(ほんまめ)8月中旬から下旬
6、「晩生甘露(ばんせいかんろ)」 8月下旬から9月上旬
7、「平田(ひらた)」 8月下旬から9月中旬
8、「尾浦(おうら)」 8月下旬から9月中旬
この8品種です。
お盆前後の人気品種は白山か
この中でも、一般的なのが、早生では、3、「甘露(かんろ)」4、「早生白山(わせしらやま)」がお盆前に出回り、お盆の後に5、「白山(しらやま)」、本豆(ほんまめ)6、「晩生甘露(ばんせいかんろ)」が出回ります。
そして9月なると8、「尾浦(おうら)」がだだちゃ豆シーズンの最後を締める形です。この5品種が一般的で人気の高い品種といえます。ちなみに9月の最晩生種「尾浦」の形状は白山とは全く違いさほどクビレも深くないので、本物のだだちゃ豆かと疑念が付きまといますが、食べると特有の深い香りと甘味が、さすが晩生種という印象を与えます。
いずれにしても一般的に、どんな作物にも言えることですが、早生より晩生の方が「味が深い」といわれます。ご多分にもれず、だだちゃ豆にもいえるものと思います。
特徴は深いくびれ茶色のうぶ毛
「だだちゃ豆」の中でも特に晩生種の「白山」は本豆(ほんまめ)と呼ばれるように「だだちゃ豆」の特徴を良く表現しています。それは「豆のサヤのくびれが深く豆の膨らみが大きい」「表皮は茶色い産毛に覆われている」のが大きな特徴になります。
白山だだちゃ豆 (本豆ほんまめ)と呼ぶ「白山しらやま」の特徴の典型は、外見からすると「茶色い産毛」と「くびれの深いサヤ」といえます。全く普通の枝豆と比べると違いがはっきりします。
本場の白山地区(大泉地区)で本豆と呼ぶ「晩生白山」がこの特徴を顕著に受け継いだ典型の姿を持っていることから、元々のだだちゃ豆は晩生白山に本来のだだちゃ豆の由来はあるのではないだろうか、そしてこの晩生白山を中心に各農家はそれぞれに改良を進めていく内に今の10品種のだだちゃ豆にたどり着いたのではないかと推測されます。
だだちゃ豆の香ばしさと特徴
茹でるとトウモロコシのような香ばしい甘味のある風味が強く食べるほどに口の中に甘い、香ばしい豊な風味が広がり、食べ始めると「だだちゃ豆」のあまい香りが広がり、やめられない独特のおいしさが感じられます。
一般的なエダマメを見るとサヤが厚くつるっとした滑らかな感じを受けますが、特に晩生の「白山だだちゃ豆」はくびれが深くふっくら膨らんでサヤから弾き出そうな感じに見えます。
そしてまた、サヤに入っている豆の数は一般的なエダマメに比べ2粒が多く、1粒が1割、2粒が7割、3粒2割という割合といわれています。美味しさを追求して品種改良を重ねてきた結果2粒中心になってきたという訳です。
だだちゃ豆の美味しさ 根粒菌
ぷっくらとおいしそうに膨らんだ「だだちゃ豆」のおいしさの決めては「根粒菌」をいかに多くするかにかかっています。
だだちゃ豆はほかの作物のような連作障害(同じ土地に同じものを作ると障害が起きる)がありません。それは根粒菌が連作障害を回避する役割を担っているからだといわれています。逆に「だだちゃ豆は」同じ土地に作付することによって大事な根粒菌を増殖して作物の健康な生育を支えているのです。
この根粒菌の状態を旺盛にして美味しいだだちゃ豆を生産するために作付ける畝(うね)を高くします。5月下旬頃から雑草が勢いをつけてきますから、除草とかねて土寄せをしていくのです。それも何回も何回もお天気を見ながら収穫近くまで続きます。
この土寄せ作業が畝をだんだん高くしてことになり、根の状態が旺盛になり根粒菌が活発化して美味しいだだちゃ豆をつくる根っこを支えています。こうすることで排水も良くなって豪雨などから守っているのです。
プレミアム枝豆だだちゃ豆とは
「だだちゃ豆は」山形県鶴岡市で江戸時代にこの地、白山で栽培されていた「娘茶豆」の中から女性育種家が発見した1本の変異種にはじまります。この1本の変異種を独自に選抜淘汰を繰り返し改良してきた「在来種」が「だだちゃ豆」の基になっています。
見た目は一般的なエダマメはサヤがつるっとした滑らかな感じを受けますが、「だだちゃ豆」はくびれが深くふっくら膨らんでサヤから弾き出そうな感じに見えます。この「サヤのくびれが深く豆の膨らみが大きい」ことと「表皮は茶色い産毛に覆われている」のが大きな特徴になります。
茹でるとトウモロコシのような香ばしい甘味のある風味が強く食べるほどに口の中に甘い、香ばしい豊な風味が広がり、食べ始めると「だだちゃ豆」のあまい香りが広がり、やめられない独特のおいしさが感じられます。
その美味しさの秘密は土作りにあるのです。連作(毎年だだちゃ豆をつくり続けられる)に耐えられる土の中の根粒菌をいかに増やすか、だだちゃ豆の美味しさの秘密は目には見えない根粒菌が鍵を握っているといえるのです。
▼だだちゃ豆のゆで方 基本編