青肉メロン 赤肉メロンとは
メロンは果肉の色味から「赤肉メロン」「青肉メロン」に大きく二分されます。果肉がオレンジ色をしているのが「赤肉メロン」です。赤肉メロンは一般的に、コクのある強い甘みと芳醇な香りが特徴。完熟前でも青臭い香りは少ないです。果肉が柔らかめな品種も多いです。
メロンには夕張メロン、クインシーのようなオレンジ色の果肉の赤肉系メロンの品種やマスクメロン(アールス)アンデス、のような淡いグリーンをした果肉の青肉系メロンの品種があります。そして、もうひとつは、果肉が白い白肉系メロン、ホームランメロンが有名です。
日本で流通しているメロンの果肉の色による分類は1、青肉系メロン、2、赤肉系メロン、3、白肉系メロンの3つに分類できます。
▼メロンの美味しい切り方
青肉メロンの品種は
一方、果肉が黄色~緑色をしているのが「青肉メロン」。爽やかで清涼感のある甘みと香りが特徴で、赤肉メロンと比べるとコクは少ないかもしれません。熟す前には、青臭い香りを感じることもあります。
赤肉メロンの方が果肉が柔らかい品種が多いので、食べ頃の時期が短い傾向にもあるでしょう。赤肉・青肉による糖度の違いはなく、どちらが美味しく感じるかは好みによって左右されます。
それぞれの代表的な品種には、以下のようなものがあります。
キスミ―メロン
「キスミー」メロンは埼玉原種育成会が1995年(平成7年)に開発した青肉のネットメロンです。大玉で表面は細かなネット模様に覆われていて、果肉はきれいな黄緑色をしています。「ローラン×ふかみどり」×「アンデス×夏系アールス」の交配で育成されたそうです。
甘味があって香りがよく、果肉はジューシーでとろりとした口当たり。アールスメロンに似た風味で、甘過ぎずにすっきりとした後味のメロンです。また日持ちにも優れています。ちなみにキスミーメロンには1号や5号、7号といったように、作柄や特性によっていくつかのバリエーションがあります。
美味しいキスミ―メロンを選ぶには、重量感があり、網目がなるべく細かいものがおすすめです。すぐに食べたい場合は、甘い香りが漂っているものや、お尻の部分に少し弾力を感じるものを選ぶとよいでしょう。
パンナメロン
糖度が高く、果肉の日もち性にすぐれる。糖度は15度以上と高く、品質が安定しており、果肉の日もちがよいため可食期間が長い緑肉ネットメロンです。低温でも肥大性があり、広い作型に対応可能になります。低温肥大性にすぐれるため、ハウスからトンネル栽培まで広い作型に対応できること。
つる割病(F)に耐病性で、うどんこ病(PM)にも比較的強い。メロンの揃いよく秀品率が高くなります。果形は高球形で、肥大しても果面に凸凹が出にくく、ネットも安定して発生するため果ぞろいがよく秀品率が高い品種です。
実をつける草勢が安定し、栽培容易です。低温期の栽培でもつる伸びが早く、草勢は中位で安定するため作りやすい。果肉の日もちはよいが、熟期は晩生にならない。
アンデスメロン
プリンスの発表から15年がたった1977年(昭和52年)、ビニールハウスやトンネルでもつくりやすく、素晴らしい味わいのネットメロンがついに発表されます。当時のメロンは甘さに当たりはずれがあり、それが悩みのタネでした。
このアンデスは、「つくって安心、売って安心、食べて安心」の「安心です」から「しん(芯)」をとり、「アンデス」と名づけられました。この品種は、誕生以来35年近くが経過した現在でも、ネットメロンとして大きなシェアを誇っています。「アンデス」は高級品のネットメロンを「みんなのメロン」にした立役者でした。
買って安心ですメロン
その後も、アールスメロンの外観や食味を手軽に楽しめる「アールスナイト」シリーズなど、当社のメロンへのこだわりは尽きることなく続いてきました。
アンデスメロンは1977年に「サカタのタネ」が交配育成し開発されたF1品種です。果皮にこまかい網目があるネット系メロンで、ハウス栽培が中心になります。
サカタのタネのホームページによると名前の由来は、アンデス地方とは関係がなく、「生産者はつくって安心」「流通は売って安心」「消費者は買って安心」の「アンシン」を冠した「アンシンデスメロン」を発案されましたが、品種名としては長いので、メロンを食すときのように「シン」を取ってて「アンデス」となったそうです。
大衆に支持されたメロン
マスクメロンとプリンスメロン、あとはマクワウリくらいしかなかった当時、マスクメロンにも似た外観と、とても甘く美味しい上に比較的小ぶりで価格も手頃なので、一気に生産者から消費者にまで人気が広まり、色々な新品種が登場している現在でもネット系の中では大衆メロンとして最も親しまれています。
ンデスメロンの表面にはマスクメロンのような網目が出ていますが、アールスメロンと比べるとその盛り上がりは低く、目も細かい感じがします。1個1kgから1.5kgまでとアールスメロンなどと比べると小ぶりで、果肉は締まっており、味、香り共にマスクメロンに似ていて、甘さが強いメロンです
アンデスメロンの選び方ですが、アンデスメロンの場合は、なるべく網目が細かく、均一に入っているものを選びましょう。その方が味、香り共に良い傾向にあります。
赤肉メロンの品種
夕張と並び北海道のメロン産地の富良野メロンには、赤肉系メロンと青肉系メロンの2種あり、主にルピアレッド、R113、ティアラ、キングメルティー、キングルビーの5品種が主に作られています。赤肉系メロンのルピアレッドという品種は、夕張メロンより比較的果肉がしっかりしていて日持ちもします。さらに糖度が高く、ジューシーな甘さが特徴的です。
クインシーメロンは様々な品種が組み合わさって出来たもので、食べると特有の風味を感じることが出来ます。マリアージュは外のネットが綺麗で強い甘みと瑞々しさを感じられます。その割には、価格が手頃なのでコストパフォーマンスの高いメロンだといえます。普段食べている青肉メロンもいいですが、βカロテンを豊富に含む赤肉メロンもぜひ食べてみてください。
クインシーメロン
クインシーメロンは昭和63年にヨーロッパ系赤肉メロン「ボレロ」とアールス夏系7号」を交配して生まれたものに「スーパタチブ゙」を交雑して優秀な赤肉を育成し、さらに「新宝玉の固定系×ふかみどりの固定系」との交配後を経て育成された品種とされています。色々な組み合わせを試行錯誤されて生み出されたという感じがしますね。
名前の由来は,赤肉ということで女王を表す「 Queen(クイーン ) 」と,カロテンが豊富なことから健康を表す「 Healthy(ヘルシー ) 」とを組み合わせて作られた造語だそうです。
クインシーメロンの特徴はカロテンを非常に多く含む赤肉系ネットメロンで、果肉は厚く緻密で、肉色はサーモンピンクで美しい色をしており、甘みが強くジューシーなメロンです。食べた時の甘さの質が、アンデスメロンやアールスメロンなどと微妙に違い特徴のある風味が感じられます。比較的手ごろな価格のメロン。
赤いアンデスメロン
「アンデス」シリーズは、高級品だったネットメロンを、多くの人に食べてもらおうと、1977年に同社が発表した新品種だ。「アンデスメロン」の愛称で、全国的な知名度がある。
「アンデス」の名称は、「生産者が作って・青果店が売って・消費者が購入して=安心です」のセールスポイントから、安心ですの「しん」を抜いて「アンデス」としたもの。
今回開発された「赤いアンデス」の最大の特徴は、果肉の色。従来の「アンデス」シリーズの果肉は緑色だが、「赤いアンデス」の果肉は鮮やかなオレンジ色だ。糖度は16度程度で、果肉はメルティング質(舌触りがよく、口の中でとろけるような食感)だ。また現在広く流通している定番の赤肉メロンは、常温保存で食味や肉質が劣化しない期間が収穫後7~10日程度だが、「赤いアンデス」の賞味期間は同10~14日程度と長いです。
収穫後間もないころから熟し切る直前まで、肉質は硬すぎず軟らかすぎず、食味も変化しにくく、いわゆる「食べ頃」の状態が長く続く。メロンは見た目では食べ頃が分かりづらいが、「赤いアンデス」は、食べ頃の期間を長くすることで、消費者や流通・青果店のニーズに対応しています。
贈って安心ですメロン
こうした肉質と食味から、核家族や個食などを背景とした青果物のカット売り需要にも、「赤いアンデス」は適しているといえます。同社は従来の「アンデス」シリーズに「贈って安心です」という新たなアピールポイントを付け加え、市場を活性化させていく考えということです。
「赤いアンデス」は、低温でもつるがよく伸び、果実がよく肥大し、開花後55日前後で熟す。ネットの発生も安定しており、栽培しやすい。また、つる割病に抵抗性があり、メロン栽培の課題であるうどんこ病にも強く、メロンの生理障害の1つである発酵果が発生しにくいという特徴もある。
高品質と栽培しやすさを両立させるため、同社は開発に15年の歳月をかけたという。「赤いアンデス」は熊本県、山形県などで栽培されており、収穫期は4月30日頃から7月頃になります。