雨除けハウス後 葉摘み
5月下旬にサクランボの栽培は雨除けハウスがかけられると収穫までは「葉摘み」とか「葉っぱ摘み」という作業が雨除けハウスの下で作業が続きます。余計な葉を落とすことで日光が射してサクランボの実の着色を促しサクランボの品質を高めてくれます。
葉摘みをすることによって、その樹全体の日射量を良くし、風通しを良くし、どの果実にも日光が届くようにしているのです。サクランボ全体に日光が射すことによって実が一斉に着色しはじめることにもなるため、樹全体を見ながら慎重にすすめられます。
さくらんぼの実に日光が当たるように実の周りの余計な葉や枝を摘み取り収穫作業をしやすくします。さくらんぼの葉摘み作業が収穫作業を決めると言っても過言ではありません。それほど大事な作業なのです。収穫作業と同様に脚立を使った作業は、身体全体と足腰に負担のおい作業ですから慣れないときつい作業です。
この時期になると、雨も降りやすくなりますが、5月下旬から6月上旬はすでに雨除けハウスが架けてありますから雨具の心配はなく、休みなく葉摘み作業を続けられます。この作業をしながら、今年の実の着き具合とか粒の大きさ、品質の情報が解ってくるのです。
葉摘みは品質を高め着色を
雨除けハウスさくらんぼの葉摘みが始まりました。サクランボの色づきに邪魔になる葉っぱを摘んで品質を上げるための作業ですが、原則としては小さな葉だけ摘んで、大きな葉はこれから果実の肥大や糖度をあげるため、まだまだ働いてもらわなければならないので、できるだけ摘まないで残してもらうようにしています。
実の周りの余計な葉っぱは実の肥大や色着きに邪魔になってしまいますから、限られた空間を有効に利用して、太陽のエネルギーを最大化するために効率良い空間を創ります。
この作業もさくらんぼの実の色付きを良くするための大事な作業なばかりではなく収穫作業をスムーズに行うための大事な準備でもあるのです。葉っぱ摘みをしっかり行うことで次の収穫作業の効率が上がります。邪魔になるものを無くすためサクランボの実が見えやすくなり収穫作業のときにもぎ取りしやすくなります。
サクランボの光合成を高める
サクランボの美味しさが高まるには、昼夜の温度格差が大切な要因です。すべての果物に共通することですが、夜に気温が下がることで果物の呼吸が抑えられ、光合成によって、栄養が蓄えられる原理があります。朝晩の温度格差によって果実は日に日に栄養分を蓄え、糖分に変えて果実に貯めていきます。逆に夜の気温が高いと果実自体の呼吸で養分が消費してしまうため養分の蓄積がすすまなくなります。
柑橘や熱帯フルーツを除く、サクランボ、りんご、などの落葉果樹では、産地が温度格差の大きい内陸の盆地にあるのはそのためです。長野、山梨、山形の果物産地はいずれも内陸、盆地という共通した特徴があるのは偶然ではないのです。
内陸型、盆地は降水量も他より少なく晴れやすいことから、夜には冷え込み、日中は高温になり易い特徴を備えています。葉摘み作業は、混み合った樹の状態を整理することで、夜に風通しを良くすることで、少しでも果実の呼吸からくる消耗をすくなくして美味しいサクランボにするための作業でもあるのです。
▼さくらんぼの葉摘み作業
さくらんぼの葉摘み まとめ
さくらんぼの収穫作業は、時間に追われる最も忙しい作業になるので、この葉っぱ摘みを行うと実の状態も見えやすくなりますからサクランボの収穫時に摘んで良い実か、まだ摘めない実か瞬時に判断がせまられます。空間がすっきりしていると太陽のエネルギーも最大化出来るし、収穫に邪魔な障害物がすくないと格段にさくらんぼ収穫の効率が上がるのです。
この時は収穫作業に邪魔になる枝や日陰を作ってしまう邪魔な枝も取除かれます。葉摘みの作業は収穫を意識した作業です。収穫しやすく、サクランボの実に日光が射しこむようにして品質アップの効果もありますから、収穫前の大事な仕事として位置づけら丁寧に続けられます。
この時期、6月収穫直前までは「葉摘み」に余念がありません。この葉摘み作業は収穫の準備作業とも言えます。葉摘み作業を丁寧にすることで、サクランボの周りがスッキリ空間ができることから収穫作業がよりやり易くなり、サクランボの品質も高まります。
サクランボの着色の原理は夜、朝露が降りるほど冷え込んで日中に晴れあがり高温になるとサクランボの着色は一気にすすみます。この温度格差を取り込むには、余計な葉を整理して風通しが良い状態に環境を整える必要があるのです。