サクランボの摘果作業とは
サクランボの満開から授粉作業が終わり、さくらんぼの結実状態の確認ができると、摘果作業に移ります。生理落果と云って開花後に少し実が膨らんだ位で落果してしまう実が沢山あるからです。この時期を待たないと最終的な着果数が読めませんから、サクランボの実を間引く摘果作業ができないのです。
確実に残る実なのかを確認できるのが、サクランボの花の満開から20日後といわれています。生理落果が終り、それぞれの枝にどれくらい実が着いているかを確認してから摘果がはじまります。この作業は収穫時にどれだけの実を残すのかというところからの逆算で成立ちます。
サクランボは摘果により、着果制限をすると、高品質で、甘い大玉のさくらんぼが実ります。 着果した粒が多すぎると、小さい実がたくさん実ってしまったり、着色も良くありません。そのままにしておくと全体が生育不良になって規格品にならなくなる恐れがあります。
摘果のねらい品質と規格アップ
太陽からの採光を地面から反射させ、着色を良くするための反射シートと同様、着色を良くするため、たくさん着果している木、時々みかけるのはぶどうの房のように細かい粒がビッシリ着いている場合は必ず摘果作業を行い、風通しと日光がなかまではいるようにしてあげないといけません。
佐藤錦は、他の品種に比べて、結実が不安定なため遅くまで落果しやすいので、最小限の弱めに(少なく)摘果にします。 特に、紅秀峰、紅さやか、香夏錦、正光錦などは、たくさん実をつける傾向がありますので、基本的に、強めに(多めに)摘果作業を行います。
摘果は、変形した双子果や、形が良くないもの、小さいもの、傷がついている実を先に行ってそれでも多い場合、実と実がが接触しない程度に、他の実も落とし空間をつくってやります。
摘果と云う作業はもったいないようですが、規格品の割合が高まる上、品質、玉伸び、美味しさにも関わるので必須の作業。生食用のサクランボでは、必要不可欠な作業として手間暇かけて美味しいサクランボに仕上るために行います。
摘果のやり方をサクランボ畑で
ベテラン生産者のサクランボ歴30年の芦野弘さんに摘果について現場に行って解説をお願いしました。満開後20日ほどたち、生理落果が終って幼果が見えてきた頃に1箇所に2~3果となるよう摘果をします。摘果では小果や奇形実などを摘み取る。摘果することで果実の肥大もよくなるからです。
サクランボの樹で説明すると、新梢(今年伸びた枝)が長くのびているものは多く実を残し短いものは養分を吸う力がないということなので少なく実を残します。(弱って葉ばかりのものも同様少なく残します)
樹勢の強い空めがけてまっすぐのびた枝は、枝が弱く下にさがっている枝より5割多く実を残します。まっすぐのびるということは養分を多く吸えて元気な証拠です。
ですから、樹、枝の勢いを良く観て、残す実の数を決めています。そうすることで、おいしい大粒のサクランボの実ができるのです
では、どのような実を取り去って、どのような実を残すのでしょうか?
■摘果する実(取除く)
どうしても樹の蔭になって日が当たらない下向きになった実は商品にならないので除去します。
■摘果しないもの(残すもの)
面長な形のもの(サクランボの実が縦に長い)はこの後に実が肥大しやすいのでこの形のものはまだまだ大きくなります。何も手を加えてないところはこのようにボンっと面長の大きな実が着きやすい環境です。
このように取る実と取らない実には基準がありその樹の状態を見分けながら摘果していきます。
▼大粒さくらんぼと摘果作業のねらい
さくらんぼの摘果と玉伸びとは
サクランボの摘果は、品質の良い美味しいサクランボを生産する上では必要不可欠の作業なのです。サクランボの実を大粒にするには、まず3月から4月中旬にかけて目の数を制限する芽欠き作業をします。その後に、実の付き方、樹の状態を見ながら摘果作業に入るのです。
サクランボの粒を大きくすのに芽欠き作業は効果が高いのですが、「遅霜」の害の予想が困難なため、遅霜の害をある程度想定した上で、摘果作業も予定に入れなければなりません。園地特有の気象も考慮しながら最適な摘果を入れて収穫期に向けて作業を配分していきます。
品種別に考えると、実が遅くなっても落ちやすい佐藤錦は弱目に(少な目に)、紅秀峰、紅さやか、香夏錦、正光錦などは、たくさん実をつける傾向がありますので、基本的に、強めに(多めに)摘果作業を行います。
樹勢の強い空にめがけてまっすぐのびた枝は下にさがっている枝より5割多く実を残します。まっすぐのびるということは養分を多く吸えて元気な証拠です。ですから、樹、枝の勢いを良く観て、残す実の数を決めています。そうすることで、おいしい大粒のサクランボの実ができるのです。