さくらんぼ「佐藤錦」の交配の条件とは|味の農園
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くだもの歳時記

さくらんぼの交配の条件とは

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サクランボが交配して実を成らせるには、受粉は同じ品種同士では受粉しないという性質があります。そして、違う品種でも受粉には相性があって相性がいいものとそうでないものの間には大きな受粉効率の違いがあります。その違いは花の咲くタイミングであったりその年の天候であったり、その畑の条件であったりします。どのような品種の組み合わせがいいのか、佐藤錦を収穫の中心に他の品種が1-2割、授粉用の品種が必要とされています。

 

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ミツバチやマメコバチは一定の気温まで活動しない


 

さくらんぼは自家受粉が不可


さくらんぼの授粉にはマメコバチ、ミツバチなどの昆虫の活躍が欠かせないという理由にはもう一つあります。さくらんぼは同じ品種同士では実を着けない自家不和合性(自家受粉しない)という大きな問題です。


ですからサクランボの畑には主力の佐藤錦と別に1割~2割の受粉樹(別の品種)を植えないと着果(実の着き)はお互いの品種ともに良くならないといわれています。満開時のサクランボが交配して実を結ぶには、佐藤錦1品種だけでは交配しないという特性があるからです。これを専門的には植物の自家不和合性といいます。


ですから、主力の佐藤錦に対して少なくとも全体の1割から2割の別の品種(授粉樹)が欠かせないというわけです。このように、サクランボの場合、雌しべに花粉がつけば、受粉して結実するがメカニズムですが、同じ木の花粉と雌しべでは受粉せず、結実もしないことになるのです。

 

 

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佐藤錦の受粉に相性が良いナポレオンは少なくなっている


 

佐藤錦と親和性のナポレオン


昔は「ナポレオン」という品種が非常に佐藤錦には相性が良く、ナポレオン自体も高く売れましたからよかったのですが、近年は生食用での需要が無くなってしまうとナポレオンの樹が急に無くなってきました。


それは、ナポレオンは基本的には缶詰加工に適している果肉が固い特徴がある品種で、佐藤錦のように生食では利用価値がないものだからです。近年、急激にサクランボは生食思考になっているため缶詰の需要が激減してしまったことでナポレオンが切倒され減少している原因としてあります。ナポレオンの樹の経済的価値が低下したことで起きた新しい問題です。


そして、ナポレオンの樹の減少が原因で主力品種の佐藤錦の不作につながっているという指摘する声もあり、頷けるところです。ナポレオンの役割に代わるものとして最近は、早生種の「紅さやか」「紅秀峰」などの生食に向いている高品質の品種が多くなっています。しかし、ナポレオンと同様な授粉効果として親和性はどうなのかという問題に対する結論は出ていない現状です。


しかし、このように色んな新しい品種3-4種の品種が混在することによって、その年で違うお天気に品種ごとの満開の時期をうまく相互にかみ合うことが出来れば授粉効率は高まると生産者は大きな期待を持って視ています。

 

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ミツバチは気温が上がれば朝から日暮れまで飛び回る


 

温暖化で開花の時期が早まる


最近の特徴としてサクランボの開花は異常に早くなっています。この頃のお天気がとても不安定で異常気象の傾向になっているのです。このために遅霜の害が深刻化しています。開花が早まることで遅霜の害は確実に増加。


開花の比較的早い紅秀峰の満開期が、佐藤錦の満開期と重ならないことも多く、間隙を埋めるために、ほかの品種は何が良いのか生産者は迷っているのです。授粉樹の相性についてはどれが正しい組み合わせなのか未だに結論が出せないのが現状です。


異常気象で満開が早まり、各品種の満開時期に偏りがでてきている現状。出来るだけ多くの品種が混在することが解決策として示されてはいますが、毎年のお天気でも組合せの善し悪しが違ってくるということで複雑怪奇な課題は尽きません。


そこで、この問題を解決してくれる救世主として昆虫の役割りは多きものがあります。特に体にたくさんの花粉をつけて花から花へと飛び回るハチは、行動範囲も広く別の木の花粉を運ぶからこそ、授粉に重要な役目を果たします。

 

 

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サクランボは満開時、蜂たちが活発に飛び回れるか


▼さくらんぼの剪定から収穫まで

 

 

さくらんぼの交配の条件 まとめ


サクランボの畑には主力の佐藤錦と別に1割~2割の受粉樹(別の品種)を植えないと着果(実の着き)はお互いの品種ともに良くならないといわれています。1種類では実が着かないことを自家不和合性と呼びます。


ですから、出来るだけ佐藤錦の樹に対して数種類の親和性のある品種を植えることに加え、交配を効率的におこなうためにはミツバチ、マメコバチをたくさん養成することが大きな課題であることが明確化してきました。


やはり、佐藤錦一辺倒の状況から転換しないと問題解決にはつながれいません。原則として全体の2-3割という授粉樹の数、種類とも増やして、さくらんぼの販売期間、全体を通した販売計画まで突っ込んだ全体最適を考えてみるべきでしょう。


ミツバチ、マメコバチなどの昆虫の力は絶大と言わざるを得ません。特に山形県の自然環境でも越冬して増殖できるマメコバチの養成を考え直してみる必要があると思います。また、蜜蜂も含め多くの蜂は行動範囲が広く、遠くからでも蜜を集めるために花粉をいっぱいぶら下げて樹から樹へ動きまわってくれます。この広い行動力こそ自家不和合性を乗り越えて授粉へ導いてくれる原動力です。

 

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