文旦 ブンタンの由来
文旦の栄養成分をお伝えする前に、来歴をみると比較的新しい柑橘の種類といえるようです。ブンタン(別名でザボン、ボンタン)は、東南アジア原産のミカン科ミカン属の果物です。日本には江戸時代中期に中国から渡来したといわれています。
また、文旦という名は、この果実をもたらした清国船の船長、謝文旦(しゃぶんたん)に由来するとう説が一般的のようですが、この他にも諸説あるようです。
果実の大きさは品種により異なります。通常1個400g~600gですが、大きい物は2㎏を超えるものまであります。
当然といえばそれまでですが、土佐文旦だけに高知県が全国の生産量の約9割を占めています。文旦の旬は12月と早いものから2月~4月頃まで続きます。ちなみにグレープフルーツは、このブンタンとオレンジが自然交配して生まれたものといわれています。
文旦の栄養成分
柑橘類のなかでも文旦(ブンタン)は栄養満点のフルーツでザボンやボンタンとも呼ばれています。特に文旦の栄養素ビタミンCの含有量は柑橘類でトップクラスです。文旦を半分食べただけで一日に必要なビタミンCが十分とれます。それでは文旦に秘められた栄養や効果効能などをお伝えしていきます。
文旦に含まれる主な成分としては、水分、糖質、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、食物繊維などを含みます。
どうしても炭水化物やお肉中心になりがちな現代の食生活の嗜好性からお肉中心の食生活に偏りがちです。そのためにも消費するなら野菜やくだものをたくさん食べなさいということ。文旦は欠かせない果物といえます。栄養成分でいうとビタミン類と食物繊維をもっと摂取しましょうといわれています。
文旦はビタミンCが豊富
特に注目なのは文旦にはビタミンCが100gあたり45mgと非常に豊富で、これはグレープフルーツや夏みかんを上回ります。ブンタンを半分食べれば、成人の1日のビタミンC推奨量(100mg)が満たされるほどの含有量です。
ビタミンCには、抗酸化作用で活性酸素から体を守ってくれる作用、免疫活性作用、コラーゲンの合成を助け皮膚のシミやシワを防ぐ作用、副腎皮質ホルモンを生成してストレスへの抵抗力を高める作用などがあります。
また、ビタミンCは鉄分の吸収率を高めるので間接的に貧血の予防にも役立つことになります。
文旦の皮にもいろんな栄養が
また、文旦の外皮や果肉を包む薄皮には、グレープフルーツや夏みかんなどと同様に苦味成分であるナリンギンという物質が含まれます。ママレードで感じる爽やかな苦味の成分と言えます。
ナリンギンには食欲を抑える効果があり、香り成分であるヌートカトンという成分には、エネルギー消費量を増加させ内臓脂肪蓄積を抑える作用があります。
これらのことから肥満の防止やダイエットにも有効的といえます。また、外皮に含まれるオーラプテンには、脂質代謝の改善や発がん抑制作用があることが研究で報告されているようです。
外皮は上記のような有効成分をたくさん含むので、ただ捨ててしまうのは勿体ない。外皮はママレードにすると美味しく食べることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
(毎日くだもの200グラム運動より)
文旦を食べて健康快適生活を
栄養成分が豊富な文旦は一日半分を目安に食べるようにすることで自身の健康に色々な効果が期待できます。美味しくたべて健康になりましょう。日本人の食生活全般に言えることですが、果物の消費量が先進国の中でも断トツに低い数値、ヨーロッパ諸国の1/3、アジアの中でも低い現状を示しています。
ビタミンCで血液さらさら老化防止
文旦に含まれる栄養素「ビタミンC」には、免疫力UP、美肌効果、肌荒れ防止、シミやソバカスやシワの予防、老化防止、抗酸化作用、脂肪燃焼、疲労回復、ストレス解消・鉄分の吸収促進、動脈硬化や心疾患の予防、免疫力の活性化、発がん物質の生成を抑制などがあります。
クエン酸で代謝を高めて疲労回復
文旦の栄養の一つ「クエン酸」には、糖質、脂質、タンパク質などの栄養素からエネルギーを生成し代謝を高める作用があります。疲労回復効果、体内の酸性物質を減少させる効果、抗酸化作用、血液さらさら効果、栄養の吸収を高める効果などがあります。また、クエン酸は柑橘系に含まれている酸味成分です。
シネフィリンで風邪の予防に
文旦の栄養「シネフィリン」は、ビタミンCと一緒になると風邪の予防効果を高めますので、風邪予防に大きな効果があります。体内の酸性物質を減少させる効果、脂肪燃焼効果や食欲抑制作用、疲労回復と血液をきれいにする働きがあります。
文旦は脂肪燃焼や食欲制御はダイエットにむいていますが、大量に食べ過ぎると糖分の摂取で太る可能性があるので食べ過ぎには注意が必要です。
ペクチンの整腸作用で便秘解消に
文旦の栄養成分のペクチンは水溶性食物繊維の一つで、整腸作用があり便秘、腹痛、下痢などを改善します。また、コレステロールを下げる効果(コレステロール正常化作用)、食物アレルギーの抑制作用、がん肝転移の抑制作用 、抗腫瘍活性などもあります。
ナリンギンで生活習慣病を予防に
文旦の果実を包む薄皮に含まれる栄養素「ナリンギン」は、抗酸化作用、血流改善、アレルギー抑制、食欲抑制、生活習慣病の予防などの効果があります。
ナリンギンは、文旦などの柑橘類に含まれるポリフェノールの一種でグレープフルーツにも多く含まれている苦味成分です。グレープフルーツを食べると舌がピリピリするのはナリギリンの影響です。
GABA(ギャバ)で脳を元気にイライラ解消に
文旦の注目の栄養素「GABA(ギャバ)」は、脳内の血行を活発にする作用、酸素供給量を増加させる作用、脳細胞の代謝機能を高める作用があります。
文旦には肝臓・じん蔵の機能向上、利尿作用促進、高血圧防止、肥満防止(中性脂肪を下げる)、老化防止などに効果があります。また、GABAは脳内で抑制系の神経伝達物質として働く成分なのでイライラ解消や不眠改善になります。
その他の栄養素が
「葉酸」「ビタミンE」「カルシウム」「マグネシウム」「カリウム」「リン」「鉄」なども文旦には含んでいます。「葉酸」は妊婦さんには必要な成分といえます。
▼土佐文旦のママレードレシピ