ここで人参の保存方法をご説明する前に人参の栄養成分についての大切なことをお伝えしたいと思います。
にんじんの英名、キャロットの名前の由来はβカロテンから来ているというといいます。その語源になっているカロテノイドとは動植物に含まれる赤色、橙色(オレンジ色)黄色の色素のことで、約750種が確認されています。
カロテノイドは私たちの身近なものとして、にんじんのカロテン、トマトのリコピン、鮭のアスタキサンチン、ほうれん草のルテインなどです。いずれも皆が大好きで美味しくて身体に大切な成分とされる食品ばかりです。
人参は抗酸化力が魅力的
近年、にんじにたくさん含まれているβカロテンなどのカロテノイドが持つ抗酸化作用が注目され健康食品や化粧品の添加物としての使用が広がっています。
この大切な成分であるカロテノイドであるβカロテンいっぱいの人参を美味しくいただくためにも正しい保存方法を良く理解いただきご利用いただきたいものです。
美味しく健康に良いとされ、美容にもいいと云う人参のもう一つの成分は食物繊維です。たくさん上手にいただく為にも新鮮さを保つしっかりした保存方法を知っておきたいものです。
基本的な保存方法とは
人参は新鮮なものほど乾燥を嫌います。丸のままの人参を保存する際にはできるだけ乾燥しない様に新聞紙などで包み、冷蔵庫に入れておきましょう 。
冬など寒い季節は新聞紙にくるんだり、箱のまま冷暗所においておいても大丈夫です。
た、人参は水分にも弱い野菜なので、温度と湿度があるとすぐに鮮度が落ちてしまいます。
夏であればラップして冷蔵庫に、冬は乾燥して人参の水分が抜けないように新聞紙に巻いて冷暗所にて保管します。
人参は切った物は切り口から傷み始めるので、ぴったりとラップで包んで冷蔵庫の野菜室に入れておき、3日~4日位で使い切るようにしましょう。
葉付き人参の保存方法は
葉付き人参といわれる葉付きの物は、葉の部分を根もとから切り落とし、ポリ袋などの保存袋に入れ葉の部分と根の部分を別々に保存します。
葉付き人参の葉は、天ぷら、和え物、ふりかけにもできる栄養の高い貴重な野菜ですから大切に残さず食べたいものです。にんじんの葉のふりかけはお薦めです。温かいご飯ににんじんの風味が広がります。
人参の葉は根の部分より日持ちしませんから特に葉の部分は出来るだけ早めに食べきりたいものです。
にんじんを保存するときの注意
にんじんは、湿気に弱いので冷蔵庫に丸のまま保存する際には新聞紙などで包みましょう。新聞紙はにんじん自体の乾燥も防いでくれます。
冷蔵庫で保存するとにはエチレンガスを発するりんごと一緒に保存すると苦みが出やすくなるので気をつけましょう。 リンゴは意外ですがエチレンガスを発生させ他の果物、メロンや洋梨を強力に過熟にしてしまいます。
にんじんの保存期間の目安は
人参の状態や環境で違いますが 乾燥しないように、新聞でくるんでそのうえでビニール袋に入れて上手に冷蔵庫で保管すれば1ヶ月ちょっとくらいは保存できます。
プロ的な発想ですが、一番いいのは、一定湿度80-90%で、一定温度3℃位で保管できれば3か月位はバッチリです。これは開閉が少ない温度変化のない専用の冷蔵庫での場合を想定しています。
人参は冷凍保存できる
にんじんは冷凍保存ができますが、丸のまま冷凍してしまうと使う時とても不便になります。調理しやすい形に切ってから冷凍することが大事なポイントです。
スライスや乱切り、みじん切り等、スティック状に切って、調理することをイメージしてカットした人参を保存袋などに入れて、仕分けして冷凍することが最終的に料理の手間を省くコツです。
予め冷凍する前にカットして余裕があれば固めに下茹でしておくと一層使い勝手はよくなります。
にんじん冷凍保存の方法
にんじんは冷凍保存ができるタイプの野菜の一つです。ただし、丸のまま冷凍してしまうと使う時とても不便なので、調理する状況にあった形に切ってから冷凍することが大事。
スライスや細い棒状(スティック状)に切ったものであればそのままバットに並べて一気に冷凍し、凍ってから保存袋などに入れて冷凍するのも良い方法です。とても使いやすくなります。
収納する前にしっかり種類ごとに仕分けして冷凍庫にほぞんすると尚さら使いやすくなります。
人参を下茹でして冷凍する
カレーや煮物用に荒く乱切りにした物は下茹でしてから冷凍した方が生のまま冷凍するより食感はより良くなります。
下茹の方法は水を張った鍋にニンジンを入れ茹でます。茹で過ぎないこと。固めに半茹でして軟らかくなるまで茹でないことがコツです。爪楊枝が、ちょっと強めに刺してようやく刺さる位の固さまで茹でたらザルに取ります。
ザルにあげたらそのまま粗熱が取れるまで放置、または熱をさまします。ある程度冷めたらバットなどに広げて一気に凍らせます。
冷凍したにんじんを使う時はいずれも凍ったまま調理して大丈夫です。ただ、炒め物の場合は、大量に凍ったままのニンジンを投入すると一気に温度が下がってしまい、水が出てくるので、量が多い場合は常温解凍かレンジで解凍してから使うようにすると使いやすくなります。
また、人参は冷凍保存がしやすい野菜ですから、特売の時にある程度まとめ買いをして、いちょう切りや乱切り、薄切り、人参ステイックなど用途別に袋に入れて冷凍庫で保管しておくのも一案です。必要な時、急いでいる時すぐに使えてとても便利です。備えあれば憂いなしですね。
スーパーで選ぶ時の注意点とは
人参はスーパーに行くといつでも売られているとてもメジャーな野菜ですが、実は人参の旬は秋から冬です。
寒くなると人参の糖度が増すので、冬の人参は生のまま食べてもとても美味しいものです。
また、最近ではスーパーで売られている人参でも鮮度を保つために土がついたまま売られている場合もありますが、大半は綺麗に水洗いされたものが陳列していると思います。
新鮮な人参は表面があまりでこぼことしておらず、触ると滑らかなものを選びます。肌のでこぼこがより少ない方が甘みも強いとされますので、是非参考にして下さい。
にんじんの保存方法 まとめ
基本的な保存方法として根菜類なので冬場は常温で保存します。夏場は常温では暑さで傷んでしまうので冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
乾燥しないように新聞紙に包み、さらに保存用袋に入れて立てて保存します。こうすることで、新鮮さを保つ大事な水分が蒸発するのを防ぎます。それは土の中にいるときと同じ状態の立てた形で保存することで人参の鮮度が保つことが出来ます。
人参は水気に弱いので、水滴が付いていた部分から傷んできます。水分が付いていたら良く拭き取りましょう。葉付きのものは別々に切り離して保存します。葉は傷みやすいので先に使いきるのがおススメです。
人参は冷凍保存することが可能です。使いやすいように一度調理しやすい形にスライスや千切りにして、軽く茹で水気をしっかり取って保存袋に入れ冷凍します。
下準備が面倒な場合は、生のままでも冷凍できます。出来るだけ調理しやすい形に切ったものを用途別に仕分けして保存袋に入れて冷凍します。このようにすることで長期保存できますからたくさんの人参を処理する場合はこの方法がいいでしょう。
▼月山高原にんじんの選別作業 山形県鶴岡市