美味しい「山形ラフランス」に仕上げるためには「果肉の充実した適期に収穫すること」が何より大切です。 山形県ではその年の気象経過や生育状況からおおまかな収穫時期を絞り込み調査を重ねています。長年の集積したデータを基にして各 産地において個々の農家がサンプル果実を持ち寄り関係者で詳細に検討し、きめ細かに内容を分析して最適な収穫時期を決めています。
ラフランス収穫は10月上旬から
ラフランスは4月下旬頃開花して、白い可愛い花を見せてから5カ月余り過ぎてようやく収穫できるようになる果物です。ラフランスには他の果物には無い収穫解禁日というものがあります。
目的は「早捥ぎ」で美味しくない未成熟なラフランスを流通させないことにほかなりません。
たとえば、今年のラフランスの収穫期間が10月6日から10月15日という具合です。この日にちは、市場に出回るラフランスの品質を高めるために山形県やJAが主導して、生産者の協力のもとに決められるもので、ラフランス独特のものといえます。
たとえば小座間農園のラフランスの場合は10月6日から収穫作業が始まり12日に収穫を終える予定で作業が進められていきます。
ラフランス食べ頃わかり易く
ラフランスの特殊性には「予冷」というラフランスの完熟を促す工程が存在します。常温保管すると完熟が解りずらいラフランスが2-3℃前後の冷蔵庫に10日から14日ほど入れて保存することで完熟と食べ頃が解り易くするための管理です。
この工程を経ることでラフランスは初めて洋梨の女王と呼ばれるにふさわしい香り豊かで滴るようなジューシーな濃厚洋梨に変身できることになります。
この「予冷」のために冷蔵保管が欠かせないので、収穫されたラフランスは畑で一度サイズ毎に分別され、まっすぐ冷蔵庫へと運ばれていきます。
ラフランス予冷設備の大型化
ラフランスの増産と共に予冷設備は足りなくなり大型化、増築の冷蔵庫が増えています。ラフランスが運ばれる冷蔵庫設備には容量が決められていること。つまり冷蔵庫の能力に一定の限度があることも一因といえます。
そのため冷蔵庫に積み上げる作業なども準備もあるので予令するための煩雑な作業を一定期間で効率良くすすめるために収穫期間はJAの単位ごとの事情が反映された状態で決められているようです。しかし人手不足も大きな問題になってきました。
もちろん、それはラフランスの品質面や美味しさの管理にも大きな影響も考えられてのことでもあるのです。
冷蔵庫を設備する生産者も
ラフランス生産者の中には自分で冷蔵設備をしてラフランスの販売も独自で販売している生産農家も少なくありません。多くの生産者は自分の冷蔵設備もしているが、全量自分の冷蔵庫では容量が少ないので、JAの冷蔵庫と両方使って予冷を行なっている生産者が多数見うけられます。
違いはその割合だけで半分半分の人から冷蔵庫の設備に応じてその割合は自ずと違ってきます。突き詰めるとラフランスの独自販売力に応じて冷蔵設備が決まって来るともいえます。
逆にいえば、JAに出荷すればれ予冷の手数料、販売の手数料は販売額から差し引かれますが、最終販売について心配なくなると云うことにもなります。「JAに出荷すればそこで完結」ということです。
ラフランス収穫で注意すること
ラフランスの収穫には細心の注意が必要です。表皮が柔らかく傷つきやすいので、もぎ取りの時も柔らかい布製のカゴを使って傷つけないようにもぎ取りします。
また、ラフランスの収穫の時期の10月は東北地方にとって台風のいちばん上陸しやすい時期で厄介な季節です。もともとラフランスの軸は硬く短く弾力性が無いため折れやすい特徴があり、風に弱く落果が要注意なのです。
その上、収穫直前のラフランスは実が大きくなって重くなっていますから、収穫直前がいちばん台風に弱い落果しやすい時期でもあるのです。
大事に育てたでもラフランスでも、落ちてしまえばもう売り物になりません。洋梨の中でもラフランスは風に弱く落ちやすい洋梨だから台風が接近すると心配が絶えないのです。
ラフランス収穫時にサイズ分け
山形県のラフランスは県で決められた出荷基準に従いMから6Lまでの7種類のサイズに分類をして出荷されていきます。
ラフランスを収穫する時は園地に集荷用のプラスチックコンテナを持ちこんで1個1個重量を測りながらサイズ別にコンテナに詰めていきます。そうすることで予冷庫(冷蔵庫)に入れるときに、サイズ別に収納出来て整理がしやすくなります。
冷蔵庫の中の温度は2-3℃前後で10日から2週間予冷します。食べ頃、完熟は予冷庫から出した時から約2週間で完熟となります。この完熟までのステージを考慮してお客さまへのお届けの時期、市場への配送時期を決め発送することになります。
ラフランス収穫と食べ頃 まとめ
ラフランスの収穫は山形県で定めた収穫期間を守って収穫する。収穫したラフランスは7種類のサイズで分別して出荷コンテナに入れられます。
収穫後は予冷保管する冷蔵庫に入れ、予冷期間が完了してから常温に出して完熟期を計算して顧客に届けます。
ラフランスの保存期間を長く取りたいときは予冷庫(冷蔵庫)に入れたまま同じ温度で保管しておきます。温度変化を出さないで冷蔵庫に入れたままにしておくことで12月下旬までラフランスを保存することが可能になります。
ラフランスの収穫にかかわる弱点は何といっても台風。ようやく収穫直前まで実の肥大を見守って台風で落果して収穫できなくなることが最大のリスクといえます。近年の台風の大型化はラフランス生産の大きな脅威になっています。
▼ラフランスの収穫の様子小座間農園