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さくらんぼを高品質にする剪定作業

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美味しいさくらんぼにする


気候や土地に恵まれているだけでは、品質の良いさくらんぼを作ることはできません。そこにはさくらんぼ栽培を支える技術が存在します。


そこで山形の農家の人々は、冬の積雪の多い時期には雪で枝が折れないように雪おろしをしたり、 早く芽が出るように雪を消す仕事をしながら春を待ち剪定作業がはじまる頃にはサクランボの季節の到来となります。


さくらんぼの剪定で大事なのは4つのポイントに集約できます。わかりやすくそのサクランボの剪定方法を簡単にまとめてみました。


1,日当りのいい樹形を作る。光合成を最大化できる形。

2,全体の風通しを良くする。病害虫に強く防除を効果的にして品質を高める。

3,無理のない幹、枝の配置で品質と収量を高めます。

4,葉脈に表された理想の樹形を作り上げる

 

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品質の良い美味しいさくらんぼをつくるには冬に行う剪定が基本


▼さくらんぼ 佐藤錦の剪定作業 2月頃天童市

 

日当たりのいい樹形作り


樹全体に日が当らないと葉は充分な光合成が出来ませんから、良い充実した花芽による果実が出来なくなります。太陽の向きを頭に入れながら、その土地にある気象(風、霜)などを考慮しながら実践します。


特に気を付けなければならないのは、枝の位置と角度、剪定のときは葉っぱや実が着いていませんから、葉っぱや実が着いて枝が重みで下がった状態を想定して切っていかなければなりません。


枝が重なって影になる部分が極力ないように枝と枝の間隔も考慮して剪定していきます。枝が混み過ぎることのないように、しかも作業性も考慮しながら収穫が最大化できるところを探りながらすすめます。

 

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葉っぱのない時に見るとすっきりに見えるが葉が繁ると


 

全体の風通しを良くする


風通しも日の当たり方と同様に枝の間隔を良く考えて、枝が混み合わないように、風通しが良い状態を確保します。


剪定作業のときは枝しかありませんから混み合った感じはないかもしれませんが、葉っぱが繁ってくると、かなり込み合った間隔と感じてしまうことになりますので、出来るだけ頭の中を葉っぱがある時期の樹、枝、幹のイメージを頭の中に浮かべながら作業していきます。


一般的に、葉が繁る頃になると枝が混んでいるように感じるものなので「もっと切っておけば良かった」となりがちのようです。樹勢の弱くなった樹は特に強く剪定して樹勢の回復を図ります。

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花芽(つぼみ)が充実して大きい実を付けるかを確認し枝を切る


 

品質を高める樹形づくり


雪がない時に剪定すると大雪のときも枝折れしないような形を忘れがちですが積雪についての考慮も大切です。また開花期の天候が不順の場合は毛バタキを使用した人工授粉をしなければならないことも想定されます。


そのためには樹全体の下の方は出来るだけ空間を確保して、人工授粉や収穫までのあらゆる作業が効率よく出来るような状態を作り出す必要があります。つまり脚立の移動まで考えられた枝の配置を常に心がけていくことです。

 

▼山形県の雨除けハウスの設置状況

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参考資料:山形県


 

雨除けハウスや作業性にも


樹の高さを出来るだけ低く抑えることも作業性には大いに影響を与えます。雨除けハウスの支柱付近の枝やビニールに近くなる枝では温度が高くなりやすい等の問題もでて果実の軟化や着色不良の原因にもなりますから気を付けることが大切です。


当然のことですが、あらゆるサクランボ栽培の作業を想定した剪定をすることで管理作業が楽になるばかりでなく、それぞれの管理作業が効率化しますので結果的に品質の良いサクランボが収穫できるようになりますから、収穫量は減ったとしても秀品率が上り販売金額は改善されていくことになるのです。


混み合った剪定より作業性の向上を考えられた剪定の方が最終的には収入が増えることを忘れないようにします。

 

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理想的な樹形を示しているという葉っぱの葉脈


 

葉脈が示す理想の形


剪定によって理想の樹形を作り上げるわけですが、その理想形は葉っぱの葉脈に示してあるといいます。剪定を続けていくとどう剪定したらいいのか突然わからなくなってしまう時もあります。そんな時はサクランボの葉っぱを思い出してみます。

 

サクランボの葉には葉脈が見えます。葉のまん中には太い葉脈、そこから細い葉脈が枝分かれしています。この葉に現れている葉脈の形が理想の枝と幹の関係に近いといわれます。葉脈は樹の形、枝の形を自然な形で表現しているといえます。

 

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さくらんぼの剪定に欠かせない道具は剪定鋏、剪定鋸、脚立。


 

さくらんぼ剪定に使う道具は


冬の真っ盛りの積雪の多い時期は、どうしても軽装備で作業に当たらないと作業がすすみませんし、かなりの重労働になりますから軽い脚立と長柄鋸、長柄の剪定鋏そして、剪定鋏と別ののこぎりを下げた腰にベルトを巻きます。


傾斜地や凹凸のある園地、雨除けハウスの支柱が多いところなどは、出来るだけ軽装備で身体を動かしやすくして剪定することが大切です。


平地で樹の間隔が広いところでは出来るだけ動力で動く油圧クレーン高所作業機が活躍できます。脚立でする作業と比べると条件によっては2-3倍の作業性が高まります。さくらんぼの剪定に欠かせない道具は剪定鋏剪定鋸、脚立。洗練された道具はさくらんぼ栽培プロ必携の切れ味の優れものが選ばれます。

 

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さくらんぼの剪定は厳寒期よりも春に近い方が樹にやさしい


 

高品質さくらんぼ剪定 まとめ


やはり、高品質で美味しいさくらんぼを収穫するために基本となるのは剪定作業になります。剪定がしっかりと実践できることで、芽欠き作業(大粒にするために目の数を制限する)、摘果作業(サクランボの実の数を制限する)、葉摘み(サクランボの実に日光が届くことで着色がすすむ)そして大事な収獲作業がしやすくなり、それぞれの作業効率が高まります。


すべての果物に共通なのは「剪定は果樹づくりの基本。基本が大事だということです。しっかりした剪定なしにしっかりした果実は出来ません。剪定の間違いは取り返すことは出来ないということです。


山形県でつくられている剪定の順序は、寒さに強い順に剪定がはじまります。厳寒期の1月からリンゴ、洋なし、サクランボ、桃の順序で剪定はすすみます。


このように、多くのサクランボファンのために美味しいく大粒で高品質のサクランボをお届けする基本はなんと言っても2月-3月に行う剪定作業ということになるのです。

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