生産するサンふじの一種、極ふじ(きわめふじ)の全量を蜜入りセンサーで検査。検査済みでセンサー数値2以上の蜜入りリンゴだけを「蜜入り極ふじ(きわめふじ)」として販売する計画しています。あくまでも計画の段階としての取組を紹介します。
サンふじの蜜入り数値2以上
このサンふじの蜜入りを検知する蜜入りセンサーはサンふじの蜜入りの程度を1(少ない)から5(多い)までの5段階で表示します。
そのうちの2以上5までの蜜入りの多いモノだけを「極ふじ(きわめふじ)」として表示してパッケージに詰めて販売していくことにしました。
このように信頼性の高い蜜入りセンサーを使って発送を仕組み化することで、お客様が安心して蜜入りのサンふじだけをお届けできるようになりました。
サンふじをこの蜜入りセンサーに1個1個 全量検査することで今までの人の経験と、蜜ライトなどの補助器具を使いながら選別してきた蜜入りの判定の精度は格段に高まることになったのです。
蜜入り判定確率100%を
あくまで蜜入りの確率100%を目指すものですが、蜜入りセンサーの精度は高いのですが、自然の中で生まれてくるリンゴの中には特殊なリンゴがあって稀に外れてしまう場合もあります。
完全に100%蜜入りかというとその保証はできませんが、私たちの内部での理解では90%の確率は確保できると判断して蜜入りセンサーを導入しました。
この蜜入りセンサーの信頼度については運用が初年度なので、シーズンを通しての経験を通してどのような課題や問題点が生まれてくるのか、事実に従って率直に一層の改善を続けていくことになります。
サンふじ蜜入りの判断基準
あくまでも傷や着色不良、変形果を粗選別した秀品のサンふじ(極ふじ)を1個ずつ蜜センサーで検査します。
少ない方から数値1(蜜入り5-10%)から5(蜜入り約80%以上)まで検定した中で数値2以上を合格品として箱詰めして、この商品だけを「蜜入り極ふじ(きわめふじ)」という名称で呼び販売しています。
もちろん、この中で出荷するのは数値2(蜜入り約20%)以上の表示があったものだけを厳選してとして扱い販売していくこととします。
蜜入りセンサーでいう数値2の蜜入り20%と言うとりんごの芯のまわりに数ミリ薄く蜜がまわった状態をいいます。もちろん目視で蜜が確認できる状態を指します。これが最低ラインということで、それ以上の蜜入りの極ふじ(きわめふじ)を厳選することにします。
人の力で蜜入り判別には限界が
りんご生産者の阿部さんのサンふじは「ふじ」という分類の「極ふじ(きわめふじ)」という品種です。阿部さんと極ふじ(きわめふじ)とのかかわりは十数年前に品種登録された極ふじ(きわめふじ)という品種を導入したのが始まりです。
山形県では、いちばん早くとり組み、樹上熟成の期間を長くとり、遅もぎする栽培方法をリスクを承知で取り入れてきました。蜜入りを良くするために苦労してきた経緯も見逃せません。
やはり、蜜入りを良くする生産者の技術力の高さがあってこそこの蜜入りセンサーは活かされてくるのだということが基本だということを忘れてはならない原点なのです。
いいかえれば、蜜センサーがあれば同じことが出来る訳ではなく、蜜入りの良いリンゴをつくる生産者の実力があってこそ「蜜入り極ふじ(きわめふじ)」の販売が出来るようになったのです。
サンふじ蜜入りセンサーの課題
課題としては蜜入りセンサーの信頼度がどれくらいあるものかが、まだ確認がとれていません。今年の結果をふまえて改善できるような問題を洗い出して次年に繋げていきたいと思います。
もう一つは、地球温暖化と異常気象の問題です。サンふじは寒さが大好きなリンゴです。温度格差によって果実に養分を蓄えソルビトールという蜜を作ります。温暖化は大きな阻害要素で、近年最低気温がなかなか下がらない11月も多くなっています。蜜が入り入りにくくなっていバラツキも多くなっています。大きな阻害要素になっています。
もちろん、初年度では100%とは言えないと考え、今年の結果、評価をふまえ信頼が100%に近づける調査を同時に行っていくことで、蜜入り100%の実現にむけて今後の課題にして大事に育てていきたいと思います。
サンふじ蜜センサー選別 まとめ
サンふじの1品種の極ふじ(きわめふじ) を秀品選別後、蜜入りセンサーで検査して5段階の蜜入りのうち2以上を合格品として、合格品だけを「蜜入り極ふじ(きわめふじ)」と呼び販売しています。
この基準を守れるようにより蜜入りを多いものにするために樹上熟成期間をたっぷりとり遅もぎして蜜入りを良くする栽培方法をしています。
収穫方法は、蜜入りの多いと判断される個体(りんご)だけを経験者が1個1個選りすぐって収穫する選りもぎを導入しています。
これをすることで出荷する「極ふじ(きわめふじ)」の鮮度が保障され、樹上熟成の期間が長くなる事から蜜入りも多いものが出荷されることに繋がります。
最後に温度格差が近年小さくなっています。リンゴは温度格差によって果実に養分を蓄えソルビトールという蜜を作ります。特に11月の温度格差に敏感なサンふじには大きな阻害要素で、近年最低気温がなかなか下がらない11月も多くなっています。
▼サンふじの蜜入り栽培の作業 天童市