「りんごの蜜入りを切らないで判定する方法は無いのか?」この問題は長く取組まれてきた課題です。つまり、蜜入りりんごを切ってしまえば商品価値がなくなってしまうからです。
最近では、蜜センサーなるデジタルな機器も開発されているのに市場では蜜入りの度合いまで表示されることはめったにありません。
蜜入り検知器「みつライト」
リンゴの中心部にある甘い「蜜」が入っているかどうかを、リンゴを割らずにしてリンゴの箱詰め段階に、一瞬で判別できる道具としての蜜の検知器「みつライト」の実態を見てみたいと思います。
リンゴの生産者の方々にお会いしておどろくのはサンふじの蜜入りの有りなしを直ぐに言い当てます。長年の経験でリンゴのお尻の状態を観ると簡単にわかるのだということです。そのようなこともあってか以外にみつライトのことを知っている人は少ない実態です。
これまでは、「蜜入り」リンゴを生産している多くのリンゴの生産農家で、「リンゴの底部がオレンジ色で丸い」などの個人の経験と主観などで、あいまいな判別方法にたよっていました。
しかし、この方法だと正解率が低く結果も安定しないため、自信をもって「蜜入り=美味しい」と根拠をもってアピールして販売できないので、かねてから生産者たちの悩みの種となっていました。客観的な判別ができないとういう現実があるからです。
■蜜入りのないりんごは輝かない
■蜜入りの良いりんごは明るく輝く
検知器「みつライト」の精度は
そこで山形県の企業が、リンゴを切らずに「蜜入り」を100%判別できる新製品を、約3年かけて開発。さっそく同商品を購入した農家の中には、「蜜入り」の表示シールをリンゴに貼って、販売し始めたところもあり、地元のテレビ番組などでも取り上げられることとなったということです。
使い方はというとリンゴを同製品に乗せてスイッチを押すと、一瞬でリンゴの中に「蜜」が入っているかどうかを光の色で判別するリンゴの「蜜入り感知器」なのです。
ライトの光を感知器内で反射させ、一点に集中させた光でリンゴを照射する仕組みになっています。「みつライト」の登場です。
どんな種類のリンゴにも使用できるが、開発会社は特に「ふじリンゴ」におすすめとの事ですが、あくまでも「蜜入り」リンゴを人間の目視で判断するものなので、利便性はありますが、やはり人間の主観で判断するので経験が必要となります。
特に歴然とした「蜜入りリンゴ」はOKでも、グレーゾーンの「少量の蜜入り」だと「蜜入り」しているかがあいまいなグレーゾーンの判断がやはり目視では100%の判断は難しいのが実態のようです。
蜜入りが有るか無しかを判別する目安にはなりますが、「どの程度の蜜か」という蜜入りの状態、程度ということになると判定はできないというのが精度から見た実態と思われます。
「サンふじ」には難易度高く
ふじリンゴで実際使ってみたときの問題は、主流の「サンふじ」では一般に蜜入りの量が「こうとく」と比べると少なく、蜜入りの割合も低いことが判断を難しくすることがあげられます。
どうしてもグレーゾーンが多くなりますから特定の人が沢山の経験を積み正確に導くための経験的練習量といえる熟練が求められるように思います。
つまりグレーゾーン蜜入りのふじリンゴが多いので、「みつライト」を使って検知する人間の目視の経験の蓄積が判断を正確に導くことになります。制度の面からいうと難易度が高くかなりの集中した訓練が必要となりそうです。
この器具を使い蜜入りしたものだけを出荷する生産者もいることも事実です。もちろん全面的に利用していきたいところですが判断する人間の経験が求められることが大切な条件と考えられます。
「こうとく」はっきりと確認
実際「こうとく」では蜜入りが格段のにいいので、むしろ「蜜入りしないリンゴ」を検知するのに使用するのが有効な使い方ともいえます。
蜜入りしない「こうとく」を取除いて選果するように利用できます。「こうとく」の場合蜜入りしないものが極少ないので、この方法を使うと効果が高いと判断できます。しかし、こちらもグレーゾーンはあるわけですから経験に頼らざるを得ません。
特に、大玉だけに試験的に利用しはじめましたが「蜜入り」の状態はかなりの確率で判別出来ています。
「こうとく」でも主流の小玉では作業性が低下するなど問題点もはっきりしてきました。今後、課題もはっきりしてきたので有効利用できるよう研究を重ねていくと良い結果が期待できると思います。
蜜入り判定 みつライト まとめ
「蜜入りリンゴを切らないで判定する方法は無いのか?」この問題は長く取組まれてきた課題です。蜜入りりんごを切ってしまえば商品価値がなくなってしまうからです。
蜜入りが少ないグレーゾーンのリンゴの判断は人間が目視で判断するので難しいが経験を積むと正確さが高まるようです。
蜜ライトは安価で道具として導入できるので、蜜判定の目安には使えるのですが、使いなれないとやはり正確さがでないということになります。また蜜入りをライトの灯りで診るので、あまり明るい所では正確に判定できない等の課題もあります。
また、サンふじではこうとくに比べると蜜入りが少ないためグレーゾーンのリンゴが多いので、使い方を工夫したり経験値を高めるための訓練が求められ、客観的にみると難易度が高く、その精度は低いと思われます。
「こうとく」ではかなり現実的に利用は出来ており、使い方も道具としてシンプルにできるし、効果を出している利用者も多いようですが、本格的に「蜜入り」を品質表示して使えるのかということになると難しいといわざるを得ない状況と思われます。