だだちゃ豆の美味しさ根粒菌
ぷっくらとおいしそうに膨らんだ「だだちゃ豆」の美味しさの 決め手は「根粒菌」をいかに多くするかにかかっています。上記の画像のようにだだちゃ豆の根には瘤がいっぱい、この瘤の中には根粒菌が増殖します。
だだちゃ豆はほかの作物のような連作障害(同じ土地に同じものを作ると障害が起きる)がありません。それは根粒菌が連作障害を回避する役割を担っているからだといわれています。
逆に「だだちゃ豆は」同じ土地に連続的に作付することによって大事な根粒菌を増殖して作物の健康な生育を支えているのです。根粒菌の働きを活性化するにはだだちゃ豆の根を強くして働きを旺盛にすることです。
根を強くすることで根粒菌が活性化して美味しいだだちゃ豆がつくられる仕組みと言えるのです。
注意:瘤(コブ)に根粒菌があるので「根瘤菌」と表記する場合もあるようですが、どちらも正しい表記とみなしています。
根粒菌は空中窒素を栄養分に
根粒菌は根っこについている丸い球状の根粒に住む細菌。大気中の窒素をアンモニアに変換し、宿主の植物の生育に欠かせない窒素を供給する働きをしています。だだちゃ豆にはこの根粒菌が欠かせません。
その大事な根粒菌を増殖させるにはだだちゃ豆の株と株の間(株間)を太陽光を受けやすくするため広くとり何度も土寄せして畝を高く、除草もかねて繰り返していくのです。だだちゃ豆の根をよく視ると根っこに無数の小さな丸いコブのようなものが視られます。これが根粒菌を増殖するコブです。このコブが沢山あるほど根粒菌が活性化していることの証しといいます。
根を活性化する土寄せ作業
手間暇を惜しまずにこまめに土寄せを何度も繰り返すことで、根粒菌が増殖して株がしっかり安定し強風や梅雨の雨から「だだちゃ豆」を守ります。目には見えないながら土の中に、この根粒菌を増やすことで、「だだちゃ豆」が健康な株に育ち、より一層美味しい「だだちゃ豆」が育つというわけです。
そしてまた、根粒が根にたくさんできると通気性もよくなり、病気に強く健康な豆が収穫できます。根粒菌は目に見えないけれども土の中で活躍することで大事な「だだちゃ豆」の旨さを守る最高のパートナーといえます。
根粒菌を増やすために土寄せ
伊藤さんの畑では植付けしてから収穫するまでに土寄せは4-6回(品種や植付け時期によって違い)しています。専用の機械を使って行いますが、10日間隔でお天気と相談しながら何度も繰り返し手間暇惜しまず作業します。
だだちゃ豆の土寄せとは中耕培土とも言います。中耕、培土とは植え付けられた畝と畝の間を耕しながら土を寄せていく作業です。作物の栽培において、作物の株際(かぶぎわ)に土を寄せる作業をいい、土寄せともいいます。
だだちゃ豆の茎の基部を土で押さえて倒伏を防ぐ物理的効果のほかに、培土によって茎の基部から不定根を発生させることも倒伏への抵抗強化となり、だだちゃ豆の茎の倒伏を防ぎます。庄内平野の強い風から倒されない強い土台のしっかりしただだちゃ豆ができます。
株間を広くとり根粒菌を増殖
広く株間を取ることで土寄せの作業はやりやすくなり、太陽の光も入りやすくだだちゃ豆の根の張りにゆとりが生まれ根が活性化してきます。伊藤さんのだだちゃ豆の株間はちなみに通常70センチに対して90センチの広い株間になっています。もちろん中耕、土寄せの作業の効率も良くなります。
何といっても日光の取り込み、太陽の光がだだちゃ豆の株元(土から茎が出ている所)まで届くようになります。そして根が混み合わないため根の占有する面積も広がり根の張りが良くなって根粒菌も活性化してきます。
株間(株と株の間)を広くとる。だだちゃ豆の通常の栽培より間隔を(90㎝)と一般より30%広くとって根元まで太陽の光をたっぷり浴びさせ、強い根をたくさん土の中で育てるのが伊藤さんの栽培方法です。
だだちゃ豆と根粒菌の秘密とは
広く株間を取ることで幾度も繰りかえされる土寄せの作業はやりやすくなり、太陽の光も入りやすくだだちゃ豆の根の張りにゆとりが生まれ根が活性化してきます。
根を強くすることは根粒菌を活性化し旺盛にすることに繋がります。何といっても根を健全にするには手間暇を惜しまない土寄せ作業が欠かせません。これは雑草の抑制、除草もかねて大事な肥培管理です。
土寄せをすることで根が強く旺盛になり根粒菌が増殖して、根がますます強くなっていくことで根粒菌もまたますます旺盛になっていくという善循環を生み出すことになるのです。つまり、根を強くすることでこの根粒菌が活発に働き、美味しいだだちゃ豆を育ててくれるのです。
やはり、だだちゃ豆は健康に強く育つことで美味しさも倍増していくというお話になります。
▼だだちゃ豆ごはんのレシピ